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“歩くミセス雑誌”稲田朋美を考える

週刊文春 1月25日号最新レビュー

2018/01/20
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 自衛隊の日報問題で昨年7月に防衛大臣を辞任した稲田朋美だが、衆院選という禊ぎを経て、ほとぼりも冷めたとの判断か、今週公開された東洋経済オンラインの「稲田朋美氏『もう一度、防衛大臣をやりたい』」で復活の狼煙を上げる。

昨年末の国会で ©杉山拓也/文藝春秋

ファッションへのこだわりも含めての稲田朋美だ

 そこでは、記事のタイトルにあるように防衛大臣への再登板に意欲をみせ、「女性自衛官の活躍を後押しするうえでも、女性が大臣を務める意義は大きい。国際的にも女性の防衛大臣は少なくない。彼女たちは真っ赤なミニスカートを身にまとい、ハイヒールやブーツで国際会議に参加していた」と述べている。

《女性自衛官の活躍を後押しするうえでも、女性が大臣を務める意義は大きい》にしても、それとミニスカはあまり関係ないのではないかと思いもするが、このファッションへのこだわりも含めての稲田朋美だ。

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自民党イベントでパクリ ©白澤正/文藝春秋

パンツ大臣と稲田朋美

 週刊文春最新号では、そんな稲田朋美の足元を揺るがす、地元政界のトラブルが報じられる。「稲田朋美 パンツの呪いで地元市議19人が離党騒動」である。

 あらましはこうだ。昨年12月の自民党福井県連の会長選に際して、福井のドン・山崎正昭を追い落とすべく、稲田朋美は高木毅を担ぐ。しかし高木は山崎に敗れ、さらには稲田朋美が支部長を務める党福井市支部の市議たちが離党届を提出してしまう。この大量離党騒ぎは、ドン陣営の策略と見られていると地元記者が語っている。党県連のトップが政敵への報復として、市議たちに離党させるというのはなかなか荒っぽい話である。

昨年の衆院選で ©三宅史郎/文藝春秋

 この対立候補として担がれた高木は、2015年に復興大臣に就任するなり、パンツ泥棒の過去が取り沙汰された人物。以降、「パンツ大臣」の愛称で、週刊新潮を中心に週刊誌各誌で活躍する。なかでも昨年の衆院選前の「『高木大臣』公認争い勃発で再び開いた『パン泥の箱』」(週刊新潮)は名作見出しだ。