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“むち打ち”のしつけに輸血・部活・恋愛の禁止。「エホバの証人」元2世信者が語る壮絶な幼少期と教団が唱える“終末期”思想

source : 提携メディア

genre : ニュース, 社会

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大学進学を含め、多くの選択肢を失った

さらに、エホバの家に生まれたことで、部活動や恋愛など多感な青春時代も奪われたと小松さんは話す。

ーー自分の人生が狭められたと感じることはある?
それは強く感じます。

むちによる懲らしめで、人生の多くの選択肢を奪われたという気持ちはぬぐえません。
大学進学すら最初から諦めていたし、部活動もやりたくて直談判したけど許してもらえなかったし、多くの人が普通に経験するであろう青春時代は帰ってこないし、悔やんでも悔やみきれません。

自由な恋愛とか、多感な時期を多感に過ごせなかった。
喧嘩したり、失恋したりして多くのことを学んで人格というものが形成されるのではないかと思いますが、そういう経験ができなかったのが非常に残念です。

部活動は、宗教活動には不要なもので、必修科目ではないという位置付けでした。

また恋愛は、信者同士の結婚でないと認められないのと、「若さの盛りを過ぎた頃」というのが教えとしてあって、だいたい30代ぐらいで模範的な信者は結婚していましたが、それまでは恋愛関係に陥る必要もないというのがセオリーだったと思います。

 

ーー今振り返ってエホバの証人の教えはどうだった?
私が今強く言いたいのは、「エホバの証人」は今現在も“この世の終末”を謳っています。

まもなくこの地球全体がアルマゲドンによって滅ぼされ、新しい世界が楽園となってくる。だから今この苦しみを喜んで耐え忍ぼう。そして一人でも多くの人を楽園に導こうというのが根幹にあります。

僕が子供のころは、「あなたは大人になることはない。運転免許を取るころには楽園が来ている」と口酸っぱく言われて育ちました。

「きょう、明日終わりが来てもおかしくない」と何十年も同じことを言っています。
終わりが来た時に子供がエホバにとって良くないことをおこなっていたら滅ぼされてしまうんだと、終末論を謳って信者の焦燥感を煽っています。

その教えが非常に悪だと思っています。

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ーー最後に、今後の願いは?
家族との交流が絶たれるのを恐れて、疑念を持ちながらも抜け出せないでいる人たちが救われること。そして、私のように家族との交流が絶たれたままの人が救われることを強く望みます。

“むち打ち”のしつけに輸血・部活・恋愛の禁止。「エホバの証人」元2世信者が語る壮絶な幼少期と教団が唱える“終末期”思想

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