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東大野球部のキャプテンが痛感した「チームの甘さ」とは…他の強豪校と「人生の賭け方が違う」《東京六大学野球》

東大野球部のキャプテンが痛感した「チームの甘さ」とは…他の強豪校と「人生の賭け方が違う」《東京六大学野球》

『東大野球部には「野球脳」がない。 最下位チームの新・戦略論!』#1

2023/04/08

source : 文藝出版局

genre : エンタメ, スポーツ, 教育

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松岡 そうですね。小学校のときはシンプルにピッチャーやりたかったですし、自分が主人公だと思っていました。吾郎と重ね合わせて、自分もああなれるんだろうなって。

――プロ野球や甲子園は見ていましたか。東大野球部のチームメイトである井澤駿介さんは北海道で日本ハムファイターズ、とくにダルビッシュ投手に憧れていました。宮﨑湧さんは両親の影響で、近鉄バファローズ、いまはオリックス・バファローズの熱狂的なファンで。

松岡 プロ野球も甲子園も見てましたよ。昔は巨人ファンで、ジャイアンツのユニフォームで学校行ったりしてました。二岡(智宏)選手の7番。

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進路指導で「一浪覚悟で東大に行け」

――小学校は地元(横浜市市ケ尾)の軟式チームでした。中学受験で入った都市大付属は、中高一貫校で、ボーイズリーグに所属する硬式野球部に入りました。柏ボーイズの宮﨑さんとも戦っています。

松岡 みたいですね。記憶ないですけど。

――どのあたりから、東大野球部を意識しはじめたんですか。

(撮影:藤田孝夫)

松岡 うちの学校は、中学から模試とか受けさせて、自称進学校なんですけど、適当なんですよ。大学の志望校は、早稲田とか慶応って書きました。知ってる学校が、そこしかなかったんで(笑)。

 高校になって進路希望を出すとき、野球部の野田(宏幸)先生って『僕の野球人生』にも書いた怖い先生なんですけど、「どこで野球やりたいんだ」と聞かれて「早稲田か慶応」と答えたら「バカか」と、「早稲田や慶応で野球やれるわけないだろう、一生ベンチでいいんか。一浪覚悟で東大に行け。東大野球部を勝たせろ」って感じで。

「僕の根底には、吾郎がいるんでしょうね」

――それで東大ですか。すごい素直ですね。

松岡 僕の根底には、吾郎がいるんでしょうね。人の影響を受けやすくて、言われたことをそのままやるわけじゃないですけど、自分の中で噛み砕いて、これいいなって思ったら、パーッて行っちゃう。

――都市大付属は、東大進学者数も増えて、2022年は2桁になったとか。

松岡 僕の頃の偏差値、低かったですよ。1期上は東大1人、その前は3、4年ぐらい空いています。

――勉強したんですか。