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西武の本拠地・ベルーナドームの“空き看板”が寂し過ぎるので善後策を考えてみた

文春野球コラム ペナントレース2023

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そして5月31日の一次〆切を前にぶち込まれた、まさかの「前倒し二次」

「頼む、5月31日までにスポンサーよ集まってくれ……」と祈りを込めて見守った5月30日からの阪神タイガース戦。そこには驚くべき事態が待っていました。「5月31日が一次〆切」「なくなり次第終了!」と言い張っていたはずのスポンサー募集は、〆切の31日まで粘ることすらなく、「ライオンズフェスティバルズ2023スポンサー企業募集中!二次〆切6.16Friまで」という表示にシレッと置き換わっていたのです。スポンサーが集まらないどころか、集まる見込みすらなかったことをうかがわせる、まさかの「前倒し二次」。「どうせ6月1日からは『好評につき二次募集スタート!』と言い出すんだろうなぁ」と思っていた僕でさえも虚を突かれる諦めの早さでした。

 まさか広告ひとつでここまで我が方の謎の不人気ぶりを思い知らされるとは。ライオンズ冷凍食品の販売とか、ライオンズファンクラブの会員募集とか、ライオンズベースボールアカデミーの生徒募集とか、ライオンズダンスアカデミーの生徒募集とか自社サービスの広告までであれば「バックネットで広告打つほどのサービスじゃないとは思うけど、すごくチカラを入れているんだなぁ…?」で無理やり納得することもできるかなと思いますが(※楽天Koboスタジアム宮城のときのKoboみたいな感じで)、やはり球場広告の球場広告はいかがなものかと思います。

 黙っていてもスポンサーが集まるような世情でないことは承知しつつも(※どちらかと言えばスポンサーが逃げる世情)、熱心な空き看板が出れば出るほど「誰も出稿しないような効果の薄い場所なんだな」という認知が広まり、ひいては「どの球場もそうなのでは?」と他球団の営業にも悪影響を及ぼしかねません。武士は食わねど高楊枝、ファンに夢を見せるためには「我慢」というものも必要です。どんなに欲しいものでもグッと堪えて、広告主のほうから近づいてきていただけるのを待つ。それでこそ「ここは高いんです」という話にももっともらしさが出るというものでしょう。

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 テレビではCM枠に急に空きが出たときに公益社団法人ACジャパンの公共広告が流れたりしますが、いっそベルーナドームの空き看板にも公共広告を表示するというのはどうでしょうか。ライオンズとしても達成を目指しているSDGsを世に広めるために「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみんなに」「ジェンダー平等を実現しよう」など17の目標を順番に表示してもいいでしょう。あるいは、各球団の努力によってブランド価値を保っているバックネット広告を埋められなかったことを率直にお詫びする気持ちを込めて謝罪広告を出すのも手だろうと思います。工事現場の看板風に「ご迷惑をお掛けしております」といったシンプルなメッセージで。

 二次〆切を過ぎた6月17日以降、はたして懸案のLED看板にはどんな球場広告が出てくるのでしょうか。球場の窮状を憐れんだどこかの企業様の広告が登場するのか。事実か見栄かはさておきで「完売御礼」が表示されるのか。もしも「好評につき三次募集枠追加!ライオンズフェスティバルズ2023スポンサー企業募集中!」が出てくる感じなのであれば、はじめからそんな広告枠などなかったかのように表示を消してくれたほうがスッキリするように思いました。「消しゴムマジックで消してやるのさ!」てなもんで。場当たり的で姑息な手ではありますが「目に入らなければ気にならない」って考え方、あるんじゃないかと思うんですよね!

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