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広島・新井貴浩監督の「監督になってから脇の穴が開いた問題」について考える

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/06/14
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選手たちは3つのタイプに分類

 では実際に着用してプレーしている選手たちは、旧ユニフォームから新ユニフォームに移行する過程で脇穴事情に変化があったのだろうか。調べてみると、大きく分けて3つのタイプに分類することができた。

 まず旧ユニ・新ユニ問わず一貫して脇穴を開けているタイプ。九里亜蓮や森下暢仁、韮澤雄也らがこれにあたる。逆に、旧ユニ・新ユニ一貫して脇穴を開けないタイプ。大瀬良大地や松山竜平らだ。そして、旧ユニ・新ユニともに、ホーム用ユニフォームには穴を開けるが、ビジター用ユニフォームには穴を開けないタイプがいる。栗林良吏、床田寛樹らがここに分類される(なお穴の有無は全て筆者の目視によるものなので、もし相違がある場合はご指摘いただければありがたい。また、新ビジター用ユニフォームは大変脇穴の確認がしづらいということも後学のために記しておく)。選手たちの脇穴の動きを見ていると、ユニフォームの新旧とは関係がなさそうである。

 一方、新井さんの場合はどうか。新井さんは、現役時代(旧ユニフォーム)はホーム用・ビジター用ともに脇穴を開けていなかった。今シーズン、私が新井さんの脇に違和感を覚えたのはホームゲームの時だったが、5月2日の横浜での試合、秋山翔吾の決勝タイムリーに拳を突き上げて喜ぶビジター用ユニ姿の新井さんの脇には、穴は開いていなかった。つまり新井さんは「新ユニフォームのホーム用にだけ脇穴を開けているタイプ」ということになる。このようなタイプの選手は他には見られない。これを一体どのように考えればよいのだろう。

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 そもそも、我々が監督の脇を最も目撃しやすいシチュエーションはいつなのかと考えてみたが、それはやはり優勝時の胴上げではないだろうか。もしかすると新井さんは、胴上げ時(しかも本拠地での胴上げ)にバンザイをする時のことを考えて、ホーム用ユニの脇穴を開けたのではないだろうか。腕の可動域のこともあろうが、赤い心ならぬ赤い脇穴を見せて胴上げされる監督は、きっと多くの人の印象に強く残る。

 真相はともかくも、その瞬間が現実のものになるべく、今後のカープの戦いに期待していきたいと思う。

もしあの時、新井さんの脇に穴が開いていたら ©オギリマサホ

 ※注1:広島アスリートマガジンWEB

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