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広島・新井貴浩監督の「監督になってから脇の穴が開いた問題」について考える

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/06/14

 新井貴浩新監督率いる今シーズンのカープ。最初こそ開幕4連敗と不安に満ちたスタートであったが、その後はセ・リーグ3位とまずまずの位置につけ、鬼門であった交流戦もこれまで5割(6月12日現在)と健闘している。何より「新井さん」(以降こう呼ばせてもらう)が監督らしくなっている。敗戦後の談話では決して選手を責めることなく、敗因を冷静に分析して次戦に繋げようとしている。

 一方で選手が活躍すると、ベンチで全力で喜ぶ新井さんが映し出され、時には選手よりも先にベンチから飛び出して喜び、それは監督というよりも「カープファンのおっちゃん」そのものだ。しかし、選手の活躍にガッツポーズをする新井さんの姿を見て、私はふと違和感を覚えた。

 ユニフォームの脇の下に穴が開いている。

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なぜ新井さんは監督になってから脇の穴を開けたのか

 新井さんと言えば、現役時代から派手な動きで有名であった。特に2016年8月7日、サヨナラヒットを放った新井さんが、右膝をついた姿勢で拳を大きく突き上げる姿は今でも多くの人の印象に残っているだろう。その新井さんの脇には、確か穴は開いていなかったはずなのだ。記憶を遡ってみても、「脇に穴が開いている新井さんの姿」は見たことがない(阪神時代の新井さんの脇は記憶にないが、見ていなかったというより、新井さん在籍時の阪神のユニフォームは脇が黒くなっているデザインだったため、印象に残らなかったのかも知れない)。ところが今シーズン、新井さんのユニフォームの脇には穴が開いている。となると、監督に就任してからユニフォームの脇穴を開けたということになる。

 そもそもユニフォームの脇の穴を開ける加工は、腕の可動域を広げる目的や通気性の確保という理由で行われる。いくらアクションの大きな監督とは言え、さすがに現役時代よりは動きは少なくなっているはずで、ではなぜ新井さんは監督になってから脇の穴を開けたのだろう。

 まず考えられるのは、カープが今年から新ユニフォームを導入したということである。新ユニフォームはこれまでと素材も異なるだろう。もしかすると、旧ユニフォームでは感じなかった腕の動かしづらさなどがあるのかも知れない。新ユニフォームのお披露目時に発表された素材の詳細をみると、新ホーム用ユニはミズノ製の「SLメッシュ」という軽量でストレッチ性のある生地が、新ビジター用ユニはデサント製の「軽量性、通気性、耐久性」を兼ね備えた新開発の生地が用いられているという(※注1)。説明を見る限りでは、新ユニフォームの方が脇穴を開けなくとも対応できそうな気もするが、実際に着用してみなければ分からない部分もあるだろう。

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