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ある時は1枚ずつ服を脱いで白く薄い下着姿へ、ある時はゴスロリ姿の“ワンコ”に…多部未華子(34)の“迷い”と3つの転機

2023/05/28
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 夕方の公園でびしょ濡れの10歳の女の子に出会い、家に帰りたがらない彼女を家に連れ帰ったことで誘拐罪に問われた19歳の男性(松坂桃李)。それから15年、彼は心の傷を抱えながら少女と再会する。そのとき、男性の恋人は——。

 2022年5月に公開された映画『流浪の月』で、この男性の恋人役を演じて存在感を示しているのが、多部未華子(34)だ。

©時事通信社

 2002年のデビュー以来、コンスタントに話題の映画やドラマ、CMに出演し続け、1児の母となってもその初々しさ、清楚さは変わらないまま第一線で活躍を続けている。

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 そんな彼女の女優としての原点は、王道ミュージカルの『アニー』。小学5年生で『アニー』を観て以来、女優というより“アニーに出たい!”という思いから、中学2年生までそのオーディションを受け続けていた。

 幸か不幸かそのオーディションには合格しなかったものの、やはり“見ている人はいる”もので、現在の事務所の母体からのスカウトを受け、当時所属していた子役事務所から移籍。2002年に『HAPPY!HAPPY!スペシャル』(BS日テレ)で、テレビ・デビューを果たす。

 2003年、1000人強のなかから選ばれ、松竹製作のSF大作『HINOKIO』の主人公・工藤ジュン役を射止める。続いて2005年9月公開の映画『青空のゆくえ』への出演が決定。この映画2作で第48回ブルーリボン賞新人賞(’05年度)を受賞し、地道な努力の末に射止めた大役で芸能の階段を上って行った。

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 こうしてスタートした彼女のキャリアには、大きく3つの転機があった。最初の転機となったのが2007年7月にTBS系で放送されたドラマ『山田太郎ものがたり』(原作・森永あい)だろう。