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「50歳をすぎたら"節約"をする必要はない」お金を貯めるためにストレスを溜めている人の残念な人生

source : 提携メディア

genre : ライフ, 経済, ライフスタイル

note

節約をするとストレスが溜まる

それに、私があまり節約を勧めないのは、それをすることでストレスが溜まるからです。

先ほど、節約と無駄をなくすことは違うと言いましたが、何が違うかと言うと、「ストレスが溜まるかどうか」です。節約というのは欲しいもの、やりたいことでも我慢することになりがちです。例えば週1回家族で行っていた外食を月1回にするというのは楽しみが減りますし、欲しい洋服があって買いたくてもそれを我慢するというのはとても残念な気持ちになります。

これが若い時代であればそれもいいでしょう。何かの目的を達成するためにお金を貯めるという目標を立て、そのためにいろいろなことを我慢するというのはやってもいいと思います。しかしながら、年齢も50代になってきてやりたいことを我慢するというのは、どことなく寂しい気持ちになってしまいます。

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精神論は「家計の中の無駄」を見えなくさせる

それに、単に節約をすることには、寂しい気持ちになる以外にもっと大きな弊害があります。それは「無駄な支出」を冷静に見つめることができなくなることです。

前述したような「風呂の残り湯を使う」「電気をこまめに消す」作戦には、たしかに「こんなに頑張っているのだ!」という精神的な効果はあります。でもそれは単に気持ちの上だけで、ほとんど実効性はありません。にもかかわらず、そんな精神論のみで節約をしていたら、それだけで「こんなに頑張っている私」に満足してしまい、本当に大事な「無駄をなくす」ということに思いが至らなくなってしまいます。結果として、努力した割には支出が一向に減らないという結果になりがちです。数字は正直です。

「無駄をなくす」というのは、日頃気がついていないけど、あまり意味のない支出をなくすということです。それらの多くは「固定費」として日常生活の中に埋没してしまっています。具体的には、無駄な保険、使っていないサービス、意味もなく払い続けている会費といった項目がそれにあたります。