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世界40カ国以上を取材したカメラマンが選ぶ合計10万円以下の「マストなアウトドア用品」〈寝袋、シューズ、コンロ…〉

世界40カ国以上を取材したカメラマンが選ぶ合計10万円以下の「マストなアウトドア用品」〈寝袋、シューズ、コンロ…〉

合計10万円で世界各地で使える「マストなアウトドア用品」#1

2023/06/11
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 コロナ禍もひと段落し、そろそろ海外旅行へって人も多いのでは。海外旅行の楽しみ方はいろいろだ。レストランで異国の料理を堪能したり、異国情緒あふれる街を歩きながらショッピングするのも楽しい。豪華ホテルや設備の整ったリゾート地を巡るなら、今の時代はパスポートとスマホさえあれば問題ない。

 でも、ちょっと街から離れた世界を覗いてみるのはいかがだろう? ジャングルの奥地に佇む歴史遺産を訪ねたり、徒歩で何日もかけて歩くことで出会える絶景が、地球上のアチコチにあるのだ!

 そんな人里離れた興味深いエリアを、世界各地40カ国以上で取材で訪れた私が、今までお世話になった必須アイテムを紹介しようと思う。

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1、寝袋:厳しい環境で過ごすには寝具が本当に重要

 テント泊の旅でなくても、寝袋は必ず持参する。安宿ではシーツだけのところも多いし、取材先に居候させてもらうときにベッドと布団が提供される保証はない。突発的なトラブルでの野宿も含め、防寒のための寝袋は必須なのだ。

 オーストラリアを自転車で一周した時に持って行った寝袋はモンベルのバロウバッグ#4。当時は1万円くらいだったろうか。今なら同等グレードは2万円くらい。いわゆる3シーズンと呼ばれる、真冬のキャンプは辛いが春夏秋は使えますよってタイプだった。

オーストラリア自転車旅行に持参したモンベルのバロウバッグ#4。その後もモデルチェンジしながら販売され続けているロングセラーシリーズだ

 ただ、オーストラリアは砂漠で暑い国をイメージしていたが、それは浅はかな考えだった。当たり前だが、オーストラリアは大陸国家なので場所によって気候は様々。冬場に最南部で野宿した時は雪が降り始め、かなり寒い思いをした。

 ところで寝袋には化繊(化学繊維)の他に、より保温力が高くコンパクトになる羽毛のタイプもある。当時はお金が厳しかったので、モンベルの羽毛シュラフの傑作ダウンハガー(高いものでは5万円を軽く超えていく)は買えず、化繊のバロウバッグだった。

 しかし、化繊の寝袋は畳んだ時に嵩張るし重い。そこでプロカメラマンとして海外取材もできるようになると、すぐに羽毛タイプに買い替えた。それが今も愛用しているイスカのダウンプラスポカラだ。

プロのカメラマンとして海外取材もできるようになって切り替えたイスカのダウンプラスポカラ。コスパのいい羽毛タイプだ

 イスカは寝袋を専門にする老舗メーカーで、登山家の間で非常に高い信頼を得ている。特に縫製が素晴らしく、頑丈で長く使える上、縫い目から冷気が入ってこないのが素晴らしい。