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《口に出し続けるのが重要》テニスと仏教界の2大レジェンドが語った「最強」メンタルの整え方

《口に出し続けるのが重要》テニスと仏教界の2大レジェンドが語った「最強」メンタルの整え方

note

「俺は最強だ」と頭が勘違い

 塩沼 このフレーズはどんな場面で口にするんですか。

 国枝 テニスコートはもちろん、レストラン、お風呂などオンオフ関係なくこの言葉を口に出すようにしました。でも最初は半信半疑。元々メンタルは強い方だと思っていましたし、断言することで何かが大きく変わるとは思えなかった。ところが不思議なことに「俺は最強だ、俺は最強だ」と何度も口に出し続けていると、頭が勘違いしてくるんです。

ラケットには「俺は最強だ」の文字が ©文藝春秋

 塩沼 頭が勘違い!? 面白い表現ですね。

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 国枝 次第に、本当に最強なんだと思いながら、思い切りラケットを振り切れるようになるんです。1ポイントごとの集中力がトレーニングする前と後とでは全く違いましたね。

 塩沼 テニスの戦績にも直接、繋がったんですか。

 国枝 勝率は圧倒的に上がりましたね。トレーニングを始めてから約半年後には初めて世界1位になることができました。

 塩沼 それはすごい! 教えがピッタリはまったんですね。

 国枝 そうですね。勝てば勝つほど、「俺は最強だ」という言葉の力をより強く信じられるようになりました。それに練習の時も、果たして最強の選手がやる内容なのかと自問自答するようになる。練習のクオリティも自然と上がっていきました。

 塩沼 国枝さんご自身の中で良いサイクルができていったのですね。