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同じ毎月10万円でも家賃と住宅ローンでは大違い…経済ジャーナリストが「いま無理して家を買うな」と忠告するワケ

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genre : ライフ, 経済, ライフスタイル

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2023年上半期(1月~6月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。家計・節約部門の第1位は――。(初公開日:2023年1月25日)

持ち家と賃貸、いまはどちらを選ぶのがいいのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「いまは焦って買わないほうがいい。持ち家は資産どころかお荷物になるリスクが高い。同じ毎月10万円でも家賃と住宅ローンではまったく違う」という――。

※本稿は、荻原博子『買うと一生バカを見る投資信託』(宝島社新書)の一部を再編集したものです。

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写真=iStock.com/ake1150sb ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ake1150sb

家を持つこと自体がリスクになる時代

家を買うか買わないかの判断は、どうしていますか。自分の城としての家が欲しい人や、ペットと自由に暮らしたい人は買ってもよい。しかし、購入を迷っているのなら、無理に買う必要はありません。

老後は仕事の縛りがなくなるので、両親と一緒に暮らすかもしれないし(税金の特例が使える場合がある。本書参照)、どこか地方に住み替えるかもしれません。また、高齢になると高齢者住宅や老人ホームに入居する選択肢もあります。

ところが、家を購入してしまうと住む場所が固定されてしまうので、身軽でいられなくなってしまいます。

家を買い、何かあった場合には売ろうと思っても、新築で買うと1日住んだだけでも中古物件になります。新築を3000万円で買ってすぐに売ったとしたら、立地にもよりますが、価格はおおよそ4割程度落ちるといわれているので、1800万円くらいでしか売れないと思ったほうがいいでしょう。

中古となった家を売ってもローンだけが残るという事態になりかねません。

マンションは「冷蔵庫やテレビ」と同じ

「家は資産になる」といまだに思っている人がいますが、現代の家は資産どころか“お荷物”になる可能性が高いのです。国土交通省のデータによると、築30年以上のマンションが約250万戸(2021年末時点)あり、その10年後の2031年には約425万戸に増えると予想されています。