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「わざわざ買った防災用品」はほぼ役に立たない…本当に役立つ「9つの日用品」を防災のプロが解説

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genre : ライフ, ライフスタイル

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鍋料理などに使うカセットコンロは、災害時に電気やガスのライフラインが止まったときに大活躍してくれます。カセットガスボンベ(CB缶)の保管期間は約7年とされていますので、毎年1、2本を消費するように心がけてカセットコンロを使い、新しいボンベを補充するようにしましょう。

◎家族人数分のカトラリー

被災時でも食事は健康と体力を保つために欠かせません。キッチンが被害を受けたときに備えて、普段使っているお箸やスプーン、フォークなどの予備を家族の人数分セットにして、防災袋などに入れておきましょう。避難所などで必ず役立ちます。

◎衛生用品

旅行用の歯ブラシ、タオルなどと合わせてマスクや除菌用ウェットティッシュなどを防災袋にまとめておきましょう。コロナ禍が落ち着いても避難所の衛生状態は悪く、感染症はすぐに蔓延します。

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次に「生活防災」の備蓄についてお話ししましょう。これらも「いざというときのため」ではなく、毎日の生活で使うものです。

もっとも備蓄すべきもの

①水

備蓄の優先順位の第一は「水」です。水道が止まると日常生活が営めなくなり、避難所へ移動せざるを得なくなるからです。例えば非常用トイレなどは持っていないご家庭が大半でしょう。しかしマンションなどでは電気が止まると水道が止まります。そうするとトイレも思うように使えなくなるのです。つまり「水」の準備が最優先なのです。

成人男性が1日あたり体内に取り入れている水の量はおよそ3リットル。一般的には3日分の水の備蓄が必要といわれていますが、余裕を見て1週間分はあるといいでしょう。過去の災害例を検証しても、1週間も経てば配給物資がほぼ届き始めています。ということは、家族1人あたり1日3リットル×1週間×人数分の水を備蓄しておけば安心です。ちなみに私は、2カ月分くらいの飲料水を備蓄しています。

「風呂の水を溜めておく」はお勧めできない

それ以外にも、食器洗いや洗濯のための水が必要なので、水道水を2リットルのペットボトルに入れ、10〜20本くらい用意して定期的に交換しています。注意していただきたいのですが、よく言われる、「お風呂に水を溜めておく」ことはあまりお勧めできません。