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「オオタニの判断基準はお金だけじゃないから…」大谷翔平の“740億円契約”の行方が予測不可能な理由 まことしやかに噂される「大谷ファクター」とは?

2023/09/22
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 大谷翔平(29)が9月19日にロサンゼルス市内の病院で右肘靱帯の手術を受けたことが発表された。エンゼルスは手術の詳細を明かさなかったが、代理人のネズ・バレロ氏は、打者としては来季の開幕から、投手としても2025年シーズンから復帰できると強調している。

 メジャーリーグ関係者の間では、手術を選択したことでMLB史上最高となる5億ドル(約740億円)規模の大型契約が成立する可能性は高まったと見る人が多い。

 大谷は今季、故障により1カ月近く試合に出場しなかったにもかかわらず、「10勝、44本塁打」という記録を残した。日本人初の本塁打王は確定的で、自身2度目のシーズンMVPも確実視されている。

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大谷翔平 ©AFLO

 打者、投手のそれぞれで大谷は超一流だが、手術によって二刀流を続ける意志を示したことが彼の“特別さ”を生んでいるのだ。

 米大手マネジメント会社の代理人によると、手術を回避し、PRP注射による保存療法を選択していたら二刀流の価値が毀損される可能性があったという。

「保存療法だと常に肘の状態を見ながらケアが必要になり、起用法にも制限がかかる可能性が高い。しかしオオタニは対症療法ではなく、手術を選び、二刀流で完全復活することを目指した。

 しかも今回の手術は(肘靱帯を再建する)従来のトミー・ジョン手術ではなく、前回の手術の靱帯を残したまま、新たな靱帯を補強する手術のようだ。100マイル(約161キロ)を投げていた故障前の姿を取り戻した上で、長く投げていくことを目指したものと言える」

「5億ドルを遥かに上回るオファーも十分ありうる」

 代理人のバレロ氏も「ショウヘイはこの先何年も二刀流を続けることを望んだ」と声明を発表し、執刀医のニール・エラトロッシュ氏も「肘を長く使うために患部を修復した」とポジティブなコメントを残している。

 大谷の獲得を目指すある西海岸の球団のスカウトは、大谷の市場価値は下がっていないと話す。

大谷翔平 ©文藝春秋

「手術の意図をはっきりさせて今後のプレースタイルの方向性を示すことで、二刀流の価値は落ちてないというメッセージを送ったと解釈している。二刀流に懐疑的な球団は脱落するかもしれないが、可能性を感じる球団は必ずある。5億ドルを遥かに上回るオファーも十分にあり得る」

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