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大山 くまお
2018/03/17

「佐川が、佐川が、佐川が」責任を下に押し付ける安倍・麻生の醜態

森友文書改ざんを巡るこれまでの発言を総ざらいする

 朝日新聞の3月2日のスクープが引き金になって再燃した森友学園問題。スクープ通り、森友学園への国有地売却に関する14の決裁文書が300か所以上も改ざんされていたことが明らかになった。一連の問題にまつわる言葉を振り返ってみたい。

森友学園国有地売却問題で財務省が決裁文書の書き換えを認めた

◆ ◆ ◆

財務省近畿財務局の職員
「自分の中の常識が壊れてしまった」

NHK NEWS WEB 3月15日

 財務省近畿財務局で森友学園への国有地売却を担当し、自殺した男性職員が言い残した言葉が次々と明らかになっている。男性職員が書き残したメモには「勝手にやったのではなく財務省からの指示があった」という主旨のことや「このままでは自分1人の責任にされてしまう、冷たい」という記述があった。また、「資料は残しているはずでないことはありえない」という財務省側の答弁に疑問を投げかける内容も書かれていたという。

安倍晋三 首相
「行政全体の信頼を揺るがしかねない事態であり、行政の長として責任を痛感している。国民のみなさまに深くおわびを申し上げたい」

毎日新聞 3月12日

 安倍晋三首相は12日、決裁文書改ざん問題について陳謝したが、「なぜこんなことが起きたのか、全容を解明するため調査を進める。麻生財務相にはその責任を果たしてもらいたい」と麻生太郎副総理兼財務相の辞任は必要ないとの認識を示した。

麻生太郎 副総理兼財務相
「佐川の国会答弁に合わせて書き換えたのが事実だ」

毎日新聞 3月13日

3月16日、衆院財務金融委員会で改ざんを陳謝する財務省の太田充理財局長(右)と麻生太郎副総理兼財務相 ©時事通信社

 政府側は文書の改ざんに関与していないと主張している。あくまでも財務省の「理財局の一部の職員」が佐川宣寿前国税庁長官(当時、理財局長)の答弁に合わせて改ざんしたものだというのだ。もともと佐川氏の答弁を「冴えているね」と絶賛していたのは安倍首相で、「極めて有能」と持ち上げていたのは麻生氏だ。佐川氏は1人で勝手に暴走したとでもいうのだろうか?

 また、財務省の問題ならば、そのトップである麻生氏の責任は免れないはずだが、麻生氏は一貫して責任を取らないと主張。なかにはこのような言葉も報じられた。

小泉元首相は「忖度したんだよ」と断言

麻生太郎 副総理兼財務相
「自分が去ったら内閣が持たない」

FNNニュース 3月12日

 たしかに麻生氏が閣外に去れば、安倍政権は大ダメージとなる。それにしても自分たちの責任逃ればかりが目につく。人が1人死んでいるというのに。

3月12日、記者団の質問に答える麻生副総理兼財務相 ©AFP=時事

安倍晋三 首相
「私や妻が関係していたということになれば、私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきりと申し上げておきたい」

小泉純一郎元首相 ©文藝春秋

 一連の報道では、昨年2月17日の安倍首相のこの答弁が再び注目を集めた。財務省が文書を改ざんしたのは、佐川氏の答弁ではなく、安倍首相の答弁との整合性を保つためだったのではないかと野党側が指摘しているからだ。実際、決裁文書の改ざんは2月下旬から4月にかけて行われた。

 小泉純一郎元首相はBSフジのニュース番組で、「総理が『私や妻が森友学園に関係あったら、総理も国会議員も辞める』と言った。総理の答弁に合わせないといけないということで、この改ざんが始まったと私は見ている。忖度したんだよ」と断言した。官僚が政権に忖度するのは、官僚の幹部人事を首相と官房長官が握る「内閣人事局」が2014年にできたからだ。

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