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文春野球コラム

あの日「恵太!」って叫びすぎて喉を壊しました…相川七瀬がベイスターズを本気で応援する理由

文春野球コラム クライマックスシリーズ2023

2023/10/18
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 前回の文春野球CSファーストではたくさんのHITをありがとうございました。歌手の相川七瀬です。

 ふと今年はどれだけの試合を見たんだろうと思って、手元に残っているチケットを数えてみました。おそらく28試合で、19勝9敗でした。

 今年印象に残っている試合はたくさんあるけど、一番は8月29日の甲子園です。

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外野が面白いということに気づいた試合

 初めて甲子園まで試合を見に行って、席は外野席の一番後ろ、看板の手前でした。しかも、その日は横浜のレジェンドであるロバート・ローズさんと一緒に観戦させてもらっていました。ローズさんがスタンドに降臨したことで、ファンの方々は大喜びで大騒ぎでした。

ロバート・ローズさんと筆者 ©相川七瀬

 あの日の試合は、8回まで全く動かずジリジリしていて、まず阪神が先制点を入れました。絶対絶命だと思っていたら、9回の表で蝦名選手が打ち、佐野選手のホームランで同点に追いついた。ローズさんと二人で興奮して「もう一発ホームランほしい」と話していました。

 次は牧選手の打順がまわってきた。すると、隣のファンの方が「牧、この看板めがけて打て! ここだ! 見えてるかー!」って叫んだんです。それは同じくみんなの気持ちだったので、一緒に「ホームランお願い!」って願った。そうしたら本当に、看板にこそ当たらなかったけどホームランを打った。ローズさんとそのファンの方と、思わず熱い抱擁を交わしました。本当に思い出に残る試合でした。

 そして、この甲子園で初の外野を経験してから、外野が面白いということに気づいてしまいました。いつも内野に座ること多いんですけど、もう我慢できないんですよね、叫びたくて。スタッフたちからはレコーディングやライブ前などで声を守るために「球場で大声で応援しないこと」と注意される始末です(笑)。

「鳩サブレの看板を見て投げるといいよ」

 あとはバウアー投手の初登板の日に、人生2度目の始球式をやらせていただいたのも忘れられません。マウンドに向かう時、緊張でいっぱいの私にベンチの三浦監督が「七瀬ちゃん頑張って! ほら、あそこにバウアーいるよ」と。初めて直視したバウワー選手の姿は後光が差していました(笑)。

バウアー投手と筆者 ©相川七瀬

 私は、その前の 『BLUE☆LIGHT SERIES 2023 』のセレモニアルピッチから、この始球式まで、どうしてもノーバンを成功させたくて、投げる練習をたくさんしていました。本番の日、ブルペンで練習をさせてもらってたら、元選手で現球団職員の畠山準さんが心配をして見に来てくれました。「まっすぐに投げるためには、マウンドから見える鳩サブレの看板があるから、あの看板を見て投げるといいよ」とアドバイスをくれて。

 でも本番のマウンドで、鳩サブレを探すような余裕あるのかな……ってさらに不安になっていたら、30分前くらいに畠山さんが「一緒にマウンドで看板を確かめよう」と連れてっていってくださり、無事、鳩サブレを確認しました(笑)。

 さらに直前になって色んな方が「握り方はこうしたほうがいい」「足をもうちょっとあげてみたら」などアドバイスしてくれるので、本当にもういっぱい、いっぱい。そんなテンパる私を一番楽しそうに見ていたのは三浦監督です。

 本番は、畠山さんの言った通り真っ直ぐ飛びました。今度こそは伊藤選手に、ボールを受けてもらおう!と思って投げましたが残念ながら少し届かなかった。バウアー選手の前で、決めたかったなぁと今でも悔いが残ります。

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