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《「チャイニーズドリーム」崩壊の現場を観てきた》中国不動産危機は習近平の失政か⁉

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 貴陽市だけでなく、空き家問題は今や中国全土で深刻なものとなっている。

〈「不動産の供給は過剰だ。果たして空室がどれほどあるのか。30億人が住めるだけの物件があるとの意見もある。さすがにこれは過大だろうが、14億人分以上は確実にあるだろう」

 賀鏗・元国家統計局副局長の発言だ。中国共産党内部からも異常なまでに積み上がった住宅在庫を危惧する声が上がっている〉

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毎月の返済が給与を超えるほどの住宅ローンを組む人も

 高口氏によれば、過去四半世紀の中国社会では、マンションを買うことが豊かさへの道であり、チャイニーズドリームであった。

高口康太氏

〈過去四半世紀にわたり中国の不動産は安定的な値上がりを続けてきた。着実に上がるのでリスクが少ない安全資産だ。つまり、マンションさえ購入してしまえば後は自動的に価格が上がり、資産は増え、老後は安泰というメカニズムが働いていた〉

 そのため、中には毎月の返済が給与を超えるほどの住宅ローンを組む人もいるという。しかし今、このチャイニーズドリームが崩れようとしていると高口氏は指摘する。

習近平国家主席 ©中国通信時事通信フォト.

 高口氏は中国各地に飛んだ。11月10日(金)発売の「文藝春秋」では、高口氏が実際に見てきた「英国風ゴーストタウン」の現状や、デベロッパーの破産により建設がストップしたマンション「瀛丹大厦」について詳報。さらには不動産危機を招いた習近平の「失策」など、中国不動産危機の実態を詳しく分析している(「文藝春秋 電子版」では11月9日(木)午前11時に公開)。

《「チャイニーズドリーム」崩壊の現場を観てきた》中国不動産危機は習近平の失政か⁉

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