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【NHK内部資料入手】稲葉会長が声を荒らげた“極秘役員会”の議事録を公開「刺されます」「よくよく考えて!」

【NHK内部資料入手】稲葉会長が声を荒らげた“極秘役員会”の議事録を公開「刺されます」「よくよく考えて!」

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(井上)会長に担当理事がそれを言わないといけないですよ。これはできないと

(伊藤)現状の実施基準ではできないと

(井上)言っても(前田が)止まらなかったということ?

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前田晃伸前会長 ©共同通信社

(伊藤)2024年度以降のところで、実行できる環境が整ったところでサービスを実行していくということのための準備作業を整えていくと

(井上)心の準備はやっていいんだけども費用がかかる話だから。これはこのあと会計検査とかで見れば矛盾するわけですよ。だって決まっていないことを了として予算ついているってことですから。10億近くね。

よくよく考えて! ご自身のためによくよく考えて!

 会議の中盤になると、今年1月に新しくNHK会長に就任した稲葉延雄氏が声を荒げる場面も出てくる。外部からの登用で、日本銀行の理事を歴任したことも就任当時、話題になった人物だ。

              稲葉延雄会長 ©共同通信 

(会長)困ったときに稟議だけ上げちゃえという発想はもうやめたほうがいい。困ったときほどそういう議論をちゃんとやることが大切。それから役員の方々に対してですが、メクラバンはやめてほしいと、本当に。民間企業であれば、うっかりするとすぐ背任で刺されますんで、割とみんな真剣なんですよ。利益第一主義だとかいわれますが、ちょっと、、、(ママ)皆さんそのハンコを押すのは安易に流れていると、いう感じがしますね。よくよく考えて! ご自身のためによくよく考えて!

 この臨時役員会についてNHK広報局に問うと、「役員による情報共有や意見交換などは必要に応じて、随時、行っています」と開催を認めた。また、一連の不祥事については「受信料で事業運営を行うNHKの業務執行やガバナンスに対する視聴者・国民の皆さまの信頼を損なう事態となり、改めてお詫び申し上げます」との見解を示した。

 今回、本誌取材班が入手した議事録には〈損害賠償請求の対象になる〉〈イリーガルな対応は絶対やってはならない〉などと事案の処理をめぐって頭を悩ます理事たちの模様も記録されている。「文藝春秋 電子版」では、前篇後篇に分け、約1万3千文字にわたり大荒れの臨時役員会の全貌を公開している。

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