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35歳でコーチに就任した楽天・塩川達也コーチの秘密

文春野球コラム ペナントレース2018

 今シーズンより一軍戦略・内野コーチに塩川達也氏が就任した。この新しく設けられた「一軍戦略・内野コーチ」という役割は、いわゆる戦略室と現場との橋渡しをする大切なところなのだが、そんな場所を弱冠35歳で任された塩川達也氏とはどんな人物なのか?

 神戸国際大付属高校から東北福祉大学へ進学すると、大学時代は2年春に三冠王と盗塁王を獲得。ベストナインも6度受賞し、4年時の全日本大学野球選手権大会では主将としてチームを日本一に導き、同年に行われた日米大学野球選手権大会にも日本代表のキャプテンとして出場した。

 なんの文句もない輝かしい実績を引っさげ、2004年のドラフト会議では創設されたばかりの東北楽天ゴールデンイーグルスから5位指名を受け、2011年の引退まで内野のユーティリティプレーヤーとして活躍。その後は楽天のベースボールスクールJrコーチを経て、2016年5月からはチームの戦略室でデータ分析に励み、今シーズンから現在の地位に至る。

現役時代、内野のユーティリティプレーヤーとして活躍した塩川達也氏

“事故物件住みます芸人”が語る塩川コーチの過去

 Jrコーチ時代には球場や楽天ラジオでお世話になる機会もあり、何度となくお話させてもらった事はあるが、個人的印象はとにかく明るく、人を笑わせる事が好きな関西のお兄ちゃん。だから正直、2年前に戦略室に異動すると聞いた時は、なぜ塩川さんが? だった。僕の中の塩川さんのキャラと戦略室というデータ分析を元に相手チームを丸裸にしていくという緻密な作業がつながらなかったのだ。

 ただこの意見を真っ向から否定してきたヤツがいた。松竹芸能の後輩である事故物件住みます芸人の松原タニシだ。

 えっ、誰?

 知らない?

 あっ、知らない人もいるのですね?

 説明しますね。その名の通り、事故物件に住みながら、自分の家を定点カメラで撮影し、霊が映ればギャラをもらえるという常人なら耐えきれない日常を平然と過ごしている男。最近では心霊番組といえば松原タニシと言われるくらいその世界では名が通り始めている。あの稲川淳二さんから「君は本物だ。」と抱きしめられたくらいの逸材である。そんな彼がなぜ塩川コーチを語るか?

 なんと二人は小学校、中学校の幼なじみで同じ野球部。塩ちゃん松ちゃんと呼び合う仲だったのだ。

 小学校の時の話、キャッチャーの西村君のおでこがとてつもないM字になってる事に気付きベジータというニックネームをつけたのが何を隠そう塩川コーチだという。つまり誰もが気づかない特徴(クセ)を見つけるのが得意だというのだ。

「いや、何の話やねん」

 彼は続ける。きっと膨大なデータと向きあうとなると根気と粘り強さは必要になる。その点で言っても塩川コーチを推したいという。