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逃亡者・桐島聡「セルフ終身刑」問題と関係当局大反省会《私たちは彼の生きた証から何を学ぶべきなのか》

2024/02/02

genre : ニュース, 社会

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 で、桐島聡さんの場合は、少なくともある時期までは勤務先の工務店から謎スマホを支給されていたようですが、入院のタイミングでは携帯電話を持っていなかったと報じられています。どういうことなのでしょう。招集がかかってスマホで点呼に応じてる割に、個人で偽造の健康保険証も持っていなかったことが分かっておりますから、おそらく親切な人が社業で使う用に貸与していたのではないかと思います。

無保険逃亡生活の悲しき末路

 さて、今回当局対応で浮き彫りになったもう一つの問題は、どうも桐島聡さんは今回救急搬送される1年前、体調に不安があった際に、自費治療で検査し、胃がんを患っていることまでは分かっていたようだという点です。セルフ終身刑なのかなと思う理由として、おそらく経済的に厳しい生活を送ると同時に、胃がんが分かっても保険治療を受けることができない状況で悲観したまま、1年ほど、末期がんとして路上に倒れて運び込まれるまで悪化してしまったという点です。

 想像として考え得るのは、犯罪を犯して逃亡生活を送ってきたけれど、酒と音楽で享楽的な日々を送りながらついに身体の異変を知り、しかし治療も受けられず、徐々に悪化して働けなくなっていく中でウチダヒロシではなく桐島聡として人生来し方(こしかた)を思い返して取り返しのつかない犯罪を犯したこと、そしてもうどうにもならないことを思い悩むこともあったのではないかと思います。また、胃がんで搬送されて1週間で亡くなるほど悪化していたとするならば、悶絶するほどの疼痛がたびたび桐島聡さんを襲っていたことは想像に難くありません。

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 末期がんの人を雇用した経験がひとかたならずありますが、正直、末期の人は働けないほどしんどい状況になります。桐島聡さんは、働けなくなった半年か一年かぐらいは、どうやって食いつないでいたのでしょう。

桐島容疑者が搬送された神奈川県内の病院 ©時事通信社

 結果的に、同僚に付き添われて藤沢市ではなく鎌倉市の、病院のポリシーとして困った人は必ず受け入れるという理念を掲げている総合病院に救急搬送されて入院しています。当然担ぎ込まれて入院した当初は健康保険証の提示もされておらず無保険です。が、本人は末期がんで精神混濁の状態ですから、医療行政的にも本人確認義務は身寄りか勤務先、これが無理なら居住しているアパートの大家(所有者)に生じます。少なくとも、元の組織からの支援もなく逃亡していたことを考えると、ほとんどの逃亡期間は無保険であったことはもちろん、身分証明できるものは何一つ持っていなかったことになります。