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おなかに「豚女」と書かれ「当時のテレビ業界では普通の感覚だった」元グラビアアイドル・愛川ゆず季が語る“芸能界でつらかったこと”

愛川ゆず季さんインタビュー #1

2024/03/17

genre : エンタメ, 芸能

note

初めてのDVD撮影でマッサージされて…

――グラビアで辛かったことはありますか。

愛川 初めてのDVDのカメラマンが変わった方で、撮影が終わってから2人きりにされて、カメラマンにマッサージされて……。それは泣きました。ほかの子にも同じ手口を使っていたと思います。

 あとグラビアではないですが、バラエティーのドッキリ企画で自分の部屋を勝手にロケで使われた時はマネージャーと喧嘩しました。家に帰ったら、仕掛け人の方がベッドの下から出てくるドッキリだったんですが、怖いじゃないですか。トラウマになって。

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 でも嫌だったことってそれくらいです。私の場合、母が事務所に圧力を最初にかけてくれていたので、事務所も気を使ってくれていて。変な飲み会に呼ばれることもなかったですし、ありがたかったなと思います。

おなかに「豚女」と書かれ「ただただ嫌でした」

――グラビアでの夢は入って1か月で叶っていますが、次の目標はあったんですか。

愛川 当時「女優になりたいです」と言ってたんですが、本当はなりたくなかったんですよ。演技が苦手で。でもバラエティー番組に出たいという強い気持ちもなくて。お仕事が来たら一生懸命やるのですが、目標がないという感じでした。

 当時のグラドルってライバル心が強くて皆ガツガツしていたじゃないですか。でも私はハングリー精神がないんですよ。みなさんエピソードトークをするけれども、私は全然前に行けないからマネージャーに毎回怒られては泣いていましたね。

©杉山秀樹/文藝春秋

――徐々に仕事が減っていたことから、2009年にはTBSの深夜番組「崖っぷち」で新規にGREEで開設したブログで3か月2000万アクセスに到達しなければ芸能界を引退という企画に挑戦します。

愛川 その頃は仕事は減っていたけれどレギュラー番組だったり、地方のパチンコ番組があったので、私自身には全然焦りはなかったんです。よく「芸能界引退をかけた企画をよくやったね」って言われるのですが、逆にこれで芸能界を辞めてもいいやという軽い気持ちでした。本当にバイト感覚でずっとやっていたので。

――開設されたブログ名が「豚肉そろそろ出荷されそうです。」だったりと今では考えられない企画ですね。愛川さん自身ももともとやっていたブログでつらさを吐露していたこともあり、3か月やるはずがわずか2週間ほどで2000万アクセスを達成しました。

愛川 当時は仕事も事務所の人にやらされているという感じの中で。番組でいきなり水着になれと言われたり、司会の方におなかに「豚女」と書かれたりして。バラエティー番組を目指していたら「おいしい」と思うのでしょうけど、全然目指していなかったので、ただただ嫌でした。

 でも当時のテレビ業界ではそれが普通の感覚だったので、いかに面白くするか考えられなかったし、今は申し訳なかったなと思います。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

おなかに「豚女」と書かれ「当時のテレビ業界では普通の感覚だった」元グラビアアイドル・愛川ゆず季が語る“芸能界でつらかったこと”

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