文春オンライン

「“子どもがいたら今まで通りは無理だよね”と…」人気絶頂の26歳で出産した相川七瀬(49)が語る、育児中に乗り越えた葛藤

相川七瀬さんインタビュー #2

2024/03/23
note

 1995年に発売したシングル「夢見る少女じゃいられない」で鮮烈なデビューを果たした、歌手の相川七瀬さん(49)。その後も数々のヒット作を世に送り出し、人気歌手としての地位を確立しながら、2001年2月に結婚。同年9月に第1子を出産し、現在は3人の子どもに恵まれている。

 そんな相川さんに、歌手活動と子育てを両立していた当時の葛藤や、3人の子どもとの関係性、育児で大切にしていることなどを聞いた。(全3回の2回目/3回目に続く

歌手の相川七瀬さん ©志水隆/文藝春秋

◆◆◆

ADVERTISEMENT

「音楽の方向性もわからなくなった」第1子出産後に抱えていた葛藤

――歌手として軌道に乗った激動の90年代を経て、2000年代は結婚、出産とライフステージで大きな変化が訪れます。当時、結婚願望はあったのですか?

相川七瀬さん(以下、相川) 結婚願望は本当になかったんです。でも不思議な運びで結婚、出産と続いて。当時の社会は、結婚して子どもが生まれたら家庭に入るというのがスタンダードな時代でした。

 私は仕事と育児を両方できると思い込んでいたのですが、実際に長男が生まれて子育てを始めると、仕事が思うようにできなくなり、すごくストレスを感じました。

――子育てと仕事がうまく両立できないという悩みは、長く続いたのですか。

相川 長男が生まれた20代半ばから、ずっと悩んでいました。自分のライフスタイルが変わっていく中、それでも私は今まで通りに音楽ができると思っていたけどできなかった。“子どもを産んだし今まで通りは無理だよね”という周りの空気感が、想像以上に強かったんです。

 当時は「ママタレ」なんて言葉もなかったし、子どもがいて仕事ができる環境ではまだなかった。そうしているうちに、音楽の方向性もわからなくなってしまって、すごく揺れた時期でした。

――当時、どのような部分に難しさを感じていましたか。

相川 子どもが生まれた時点で所属事務所から独立したんです。個人事務所なので身軽に動けるのはメリットですが、活動が減ってしまうと、歌手としても当然露出も難しくなって……。そういう部分での葛藤も抱えていました。

関連記事