文春オンライン

スポーツ新聞が量産する「コタツ記事」書き手の正体は…? “本当の問題点”を考える

2024/04/16
note

 今回は「こたつ記事」について考えてみたい。こたつ記事とはテレビ番組での芸能人やコメンテーターなどの発言をそのまま引用して伝える記事だ。中には著名人のSNSやブログからコピペしただけのように見えるものもある。取材をせず、こたつの中に入ったままで書けるから、そう呼ばれている。

※写真はイメージです ©mapo/イメージマート

 最近の具体例をあげてみると、

『アンミカ 水原一平容疑者の「巧妙な手口を見るほど、計画性…より裏切られた気持ち」』(デイリースポーツオンライン4月12日)
 

『上沼恵美子 冠番組打ち切りに恨み節「どれだけオゴったか」「肉、ふぐ、エスカルゴ」』(東スポWEB 4月14日)
 

『吉瀬美智子「急なお誘い」で集合した4人に「素敵すぎる」「美女の大渋滞」の声』(日刊スポーツWEB 4月15日)
 

『アジャコング 本名イジリに激怒「書くな呼ぶな」「惨めでキモイだけ」事務所NGにしていると明かす』(スポニチWEB 4月15日)

 テレビ番組での発言、インスタグラム、Xでの発信をそのまま記事にしている。

ADVERTISEMENT

「こたつ記事」量産のきっかけ

「こたつ記事」と誰が言い始めたのか調べてみると、ITジャーナリストの本田雅一氏が3年前に「こたつ記事という言葉はちょうど10年前に筆者が造語したもので間違いない」と書いていた(ITmedia NEWS 2021年1月7日)。

 この時期に「こたつ記事」があらためて注目を集めた理由は、朝日新聞デジタルが『やめられぬ「こたつ記事」スポーツ紙が陥ったジレンマ』(2020年12月19日)という記事を掲載したからだ。

 朝日新聞によれば「こたつ記事」は、

《コロナ禍に伴う緊急事態宣言でスポーツの試合やイベントが中止になり、記者が現場で取材することが難しかった。「対面の取材が減る中、ネットを見て記事を書くことが増えていた」。》

 なるほどコロナ禍がさらなる量産のきっかけだったのか。