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「頭のいい両親の子供なら頭はいい」は大間違い…遺伝学の研究者が語る「遺伝と子供の発達の真実」

source : 提携メディア

genre : ライフ, サイエンス, 社会, 教育

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このように、遺伝子は脳の形成・発達に独特な影響を及ぼし、それが行動傾向にも反映されます。

しかし、それは始まりにすぎません。遺伝子がその人の人生に重要な役割を果たすもう一つの大きな要因は、私たちの生まれつきの傾向に直接影響を与えるだけでなく、環境とも深く結びついていることです。

遺伝子は環境と結びつくことによって、複雑かつ間接的に私たちの行動に影響を与えるようになります。

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遺伝子と環境の関係を理解すれば、私たちは親としての役割を最大限に果たすことができるのです。

本稿では子供の行動に遺伝子が与えている影響を紹介しましたが、本書ではこのほか遺伝子と環境の相関関係を解説しています。是非ご一読ください。

ダニエル・ディック 心理学者、遺伝学研究者
ラトガース大学ロバートウッドジョンソン・メディカルスクール教授。インディアナ大学で心理学博士号を取得した後、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の研究資金を獲得しながら心理学と遺伝学の境界領域の研究を続け、数々の学術賞を受賞。TEDx Talks、TIMEはじめ大手メディアのインタビューなど、広く一般向けの講演活動も積極的に行なう。
竹内 薫(たけうち・かおる)
サイエンスライター
1960年、東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科(科学史・科学哲学専攻)、東京大学理学部物理学科卒業。マギル大学大学院博士課程修了(高エネルギー物理学理論専攻)。理学博士。大学院を修了後、サイエンスライターとして活動。物理学の解説書や科学評論を中心に100冊あまりの著作物を発刊。物理、数学、脳、宇宙など、幅広いジャンルで発信を続け、執筆だけでなく、テレビやラジオ、講演など精力的に活動している。
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