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カープに移籍するまで「僕はポジティブではなかった」――赤松真人、胃がんを語る #2

広島カープ・赤松真人選手インタビュー

2018/05/01
note

支えになった、阪神時代の先輩からの言葉

――つらいとき、支えにしているような言葉はありますか?

赤松 阪神時代の先輩で、僕が尊敬している赤星(憲広)さんがおっしゃっていたんですけど、「盗塁に必要なのは、足のスピードだけじゃない」ということです。

 非常に足の速い選手でも2塁に到達するまでに3.2秒かかる。ピッチャーのクイックタイムなど、ほかの平均データも組み合わせて単純に計算をすると、盗塁成功率は50%程度になってしまいます。代走として使える選手になるためには、75%ぐらいは必要なんですよ。じゃあ「よーいドン」の足の速さ以外のどこで勝負するかといったら、配球やピッチャーの癖を学ぶこと。盗塁成功率をあげていくには全力プレーや足のスピードだけじゃない、と気づいたんです。

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 今の僕にとっての「勉強場所」というのは2軍のベンチにいる時ですね。2軍の試合を見ながら、気づいたことをノートに書いています。

 

本来、ポジティブな性格ではなかった

──赤松選手のように、ポジティブに考えられるのは大事ですね。

赤松 僕は本来、ポジティブな性格ではなかったんです。阪神時代は、考え込んじゃうタイプで、監督やコーチに言われたことを忠実にしているのに結果が出せず、自分は何のために野球をしているのか悩んだ時期もありました。カープに来て、そんな自分を変えるために「楽しく野球をやろう」と気持ちを切り替えたら、ある程度成績を出せるようになったので、「ダメでも自分が納得できる方法を選ぼう」と思えるようになりました。