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あの西城秀樹さんも 一人暮らしで脳梗塞を発症した場合の対処法

最近では、40~50代の「働き盛り世代」の診断が目立つ

2018/06/23

 先ごろ63歳で亡くなった歌手の西城秀樹さん。発表された死因は急性心不全だが、最初に脳梗塞を発症したのは48歳の時だった。

脳梗塞を2度も経験した西城秀樹さん ©文藝春秋

 つい先日も、人気音楽グループ「スターダスト★レビュー」のボーカル・根本要さん(61)に脳血栓が見つかったと発表された。放置すれば脳梗塞に進展していた可能性がある。

 脳梗塞は命に関わる病気だが、初期対応がうまく進めば命を取り留めることも可能だ。しかし、一人でいる時に発作に見舞われたら、どうすればいいのだろう。

「一人暮らしの脳梗塞」について考えてみる。

脳梗塞は“時間との勝負”

 脳の血管が詰まって血流が途絶え、組織が壊死していく――。脳梗塞が命に直結する重大疾患であることは間違いないし、たとえ命は助かったとしても、麻痺などの重大な後遺症が残ることもある。

 一方で、迅速な初期対応と効果的なリハビリによって、元の生活を取り戻す人もいる。

中原邦晶医師

「発作から数分で脳細胞の壊死が始まり、時間が経つほどダメージは広がります。でも、発症から4時間半以内にt-PAという血栓溶解剤を静脈に注射できれば、約4割のケースで後遺症をほぼ残さないレベルへの回復が可能。t-PA療法が難しいケースでも、8時間以内にカテーテルを使った血管内治療ができれば、命を救える可能性がある。まさに脳梗塞は“時間との勝負”です」

と語るのは、東京都町田市にある「なかはら脳神経クリニック」院長の中原邦晶医師。

 同医師によると、脳梗塞が疑われるときに利用できるセルフチェックがあるという。米国脳卒中協会が提唱する「ACT-FAST」と呼ばれるものだ。

F = Face(顔)……笑顔を作った時に、左右の口角が同じ程度上がるかどうかを確認する。脳に異常があると片側の口角が上がらず、よだれが流れ落ちることもある

A = Arm(腕)……両腕を伸ばして、床と水平になるように挙げる。脳梗塞による麻痺があると、麻痺した側の腕が挙がらない

S = Speech(話し方)……ろれつが回らない、言葉が出ないなどの言語障害があれば、脳梗塞による麻痺が疑われる

T = Time(時間)……以上の三つの中の一つでも当てはまるときは、脳梗塞を含む脳卒中の可能性があるので、一刻も早く救急要請する。この時、症状が出た時刻を確認し、救急隊や医師に伝える