オンラインゲームなどに没頭し、生活や健康に深刻な支障が出る「ゲーム障害」(ゲーム依存症)が世界保健機関(WHO)の国際疾病分類(ICD)の中で精神疾患として認定されることに。日本でも中高生の「ゲーム・ネット依存」が問題視されている中、これは期待したいニュースね!
WHOは、世界のゲーム愛好者二十三億人のうち依存症は二、三%のみとしているけれど、厚労省の推計によれば、ネット依存症の疑いがある日本の中高生はなんと五十二万人。ここには多くのゲーム依存者が含まれているという。
見逃せないのは、ゲーム依存症は未成年者が陥りやすいという点。ゲームはアルコールなどと違い未成年の使用が法律で禁じられているわけでもなく、気軽に手を出せる。また、ネット依存になると、欲求を抑制する機能をもつ脳の前頭前野や記憶、意思決定の機能が低下するという研究もある。脳の発達が未熟な未成年なら、この影響は甚大なものになる恐れがある。
ゲーム依存症になると、頻度や時間をコントロールできなくなり、日常生活でゲームを他の活動を差し置いて最優先するように。生活に支障が出ているのにゲームを続ける。睡眠不足で遅刻気味になり授業に集中できなくなり、学力は急激に低下。不登校や引きこもりにも繋がりやすい……早急に対処しなきゃ。
WHOに「病気」と認められることで今後、治療法の研究や対策が進む期待も。親や大人の心構えも変わるわ。
依存症対策が最も進んでいる韓国では、法律により十六歳未満の子供は午前零時から朝六時までオンラインゲームが利用できない。日本も国を挙げて取り組まないと。二〇一六年時点で治療を相談できる医療機関はまだ約40施設。国だけでなく業界・企業や地域社会、家庭や学校、そして個々人で何ができるか。真剣に考え、策を講じたいわね。