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古田敦也さんはずっと私のヒーローです〜ヤクルト愛が呼んだ奇跡の物語〜

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/08/30

 古田敦也さん――。私にとって、みんなが知っている映画や漫画に出てくるどんなヒーローよりも超スーパーヒーローで、どんなアイドルよりもカッコよくて、声も笑顔も素敵で(1位、2位を高津臣吾さんと脳内で争っています)、憧れの選手です。バッティングフォーム、打った後のバットの角度、マスクから見える鋭い目、捕球の仕方、盗塁阻止、常に先を考え全体を把握しリードして行く頭のよさ、ここぞという時に決めてくれる勝負強さ、トークの面白さ、格好よすぎるスーツ姿(もちろんヤクルトユニ姿も)。本当に大好きな選手です。

 そんな古田さんとの日常生活での関わりといえば、「応援すること」はもちろん、学生時代にテストの点数で27点を出したときは、低い点にショックを受けることなく、「あ、古田さんの背番号だ♪」と喜んだり、「いつかメガネはアイメトリクスにしたい」と、古田さんがCMに出演するメガネブランドに憧れを抱いたり、試合以外で出演しているテレビ番組や、雑誌も楽しみにしていたり、ブログを読んだり。それから、古田さんのおかげでキャッチャーへの興味や憧れもありました。

 野球部やソフトボール部がない女子校だったのですが、野球好きの友人と同好会を作って、体育倉庫にあった埃のかぶった古い道具でキャッチボールをしたり、キャッチャーの練習もしていました。自分が考えた配球で空振りが取れた時の気持ちよさは今も忘れられません。今でも捕球することが一番好きです。投げることよりも、打つことよりも……。少しお金を稼げるようになってからは、そんなに使う頻度もないのに硬球用の古田さんモデルのキャッチャーミットも特注してしまいました(笑)。高かったですけど、後悔はしていません! いつか古田さんのようなキャッチングをしたいです。

古田敦也と高津臣吾 ©文藝春秋

思い出すと今でも涙が出る古田さんの引退試合

 引退試合に行ったのも古田さんの試合が初めてでした。大好きな古田さんのプレーが見られなくなってしまう寂しさと、目に焼きつけた姿と球場の雰囲気。止まらない涙。あの日を思い出すと、今も泣きそうになってしまうんですが、あの日のセレモニーで流れたTUBEの「OLD BASEBALL MAN」を聴くと鮮明に蘇ります(ベテラン選手に向けた応援歌で、歌詞が選手の気持ちをストレートに表現していて、胸が締めつけられそうになるんですが、こういう気持ちを持って頑張っている選手だからこそついていきたくなるし、応援したくなるし、かっこいいんだよなぁっていう歌詞で、物凄くいい曲なので、知らない方はぜひ聴いてみてください)。

引退試合後にスピーチをする古田敦也 ©文藝春秋

 あ、話は脱線しますが、私はミュージックプレーヤーにヤクルトのプレイリストを作っています! 引退試合で流れた曲はもちろん、選手の登場曲、応援で歌う曲などをまとめて、いつでも聴けるようにしているんです。音楽と記憶のリンクって凄くて、曲それぞれに選手のプレーする姿が見えて、球場の雰囲気を感じさせてくれて、いつでも思い出の試合に、神宮に、還れるんです。普段全く聴かないジャンルの曲も聴くようになったり、「こういう曲が好きなんだなぁ」って、選手のことを少し知れたような気もして、嬉しくなったり。今こうやって書いていると、「私の生活はヤクルトのお陰で潤っているんだなぁ」って改めて気づかされます(笑)。

 話を戻しますね。実際に古田さんに初めてお会いしたのは、古田さんのブログ本の発売記念イベントでした。「大ファンです」「応援しています」などなど、「お会いしたらこんなこと言うんだ」って意気込んで行ったものの、いざ自分の番になってみると、あまりにカッコよくて素敵で圧倒されてしまって、緊張で声も出なくて無言でペコペコしていました。覚えているのは古田さんが本当に素敵だったことと、握手したときの手がとっても大きくて厚かったこと。キャッチャーの手ってすごいんだなぁって感動しました。これが2005年12月11日。