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「野球をやってて良かった瞬間」――楽天・嶋基宏、岸孝之、岡島豪郎、田中和基に聞いた

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/08/31
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いろいろな試練を乗り越えてきた岸

好きな麺類はこってり系ラーメンの岸孝之選手 ©河内一朗

 4年ぶりの2ケタ勝利までリーチをかけている岸孝之選手は、ここまで9勝3敗、防御率は2.47(リーグTOP)、131奪三振(リーグ2位)、14QS(リーグTOP)である(※QS=クオリティ・スタートの略。先発投手が6イニング以上を投げ、かつ3自責点以内に抑えた時に記録される)。

 いかに先発としてゲームを作っているかが数字で如実にわかる。

 岸選手に野球をやっていて良かったなぁと思った瞬間について聞くと、少し考えて「単純にプロ野球選手になれた事です」と答えた後で、こう続けた。「何度も野球を辞めようと思ったこともありましたが、野球をやり続けてよかったと思っています」と話してくれた。

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 いろいろな試練を乗り越えてきた岸選手にどのような時に野球を辞めたいと思ったのかを聞くと「坊主の問題です(笑)。坊主にしたくないという理由だけで野球を辞めなくて良かったです」という意外な答えが返ってきた。

 そして残り試合にかける思いを聞かせてもらうと「今シーズンはずっと最下位で申し訳ない気持ちでいっぱいですけど、それでもファンの皆さんは諦めずに応援してくれているので、ファンの皆さんのために残りの試合、精一杯頑張りたいと思います」と締めてくれた。

 岸選手が、過去の「坊主の壁」を乗り越えて野球を続け、エースの座を掴み獲り、地元・仙台の球団、楽天イーグルスで2ケタ勝利を挙げる瞬間をしっかりと目に焼き付けようと思う。

嶋が語ったキャプテンらしい言葉

焼肉の中では「タン」が一番好きな嶋基宏キャプテン ©RakutenEagles

 今シーズン、嶋基宏選手はチームの要として、ここまで104試合に出場。そして8月10日の試合でバントを成功させ、プロ野球42人目となる通算200犠打を決めた。「ランナーがいないとできない記録なので、チームのみんなに感謝したい。これからもチームの勝利に貢献できるよう、与えられた仕事をしっかりしていきたい」と報道陣の前でコメントした。チームの中で、自分の役割を果たすということを大切にしているキャプテンらしい言葉だ。

河内「野球をやってきて良かったなぁと思える瞬間は?」

嶋選手「やっぱり勝った後に、美味しいご飯(特に焼肉)を食べて、皆で野球の話をしている時ですね」

河内「勝利した瞬間にピッチャーとハイタッチしたり抱き合う瞬間の気持ちは?」

嶋選手「本当に『勝つ』という事は大変なことですし、9回を勝って締めるというのは、そんなに簡単なことではないので、心の底からホッとする瞬間ですね」

河内「残りの戦いに向けてメッセージお願いします」

嶋選手「残り試合少ないですし、楽天イーグルスは1試合も落とせる試合はないので、とにかく1試合ずつ一生懸命やっていきます」

 最後に、盗塁を阻みランナーを刺した後に、二遊間方向を指して「ヨシッ!」と頷く瞬間は、あれは男から見ても惚れる瞬間ですと伝えると「じゃあ、控えめにします(笑)」と言って嶋キャプテンは去って行った。(いや、控えないでください。もっとオーバーアクションでお願いします!)→心の声である。

 何はともあれ、残り28試合。結果も当然大事だと思うが、それよりも楽天イーグルスが好きだ! 野球が好きだ! と思える瞬間を、この秋に目一杯感じながら最後まで絶対諦めずに応援したいと思う。

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