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「無人駅はドキドキします」有村架純が語る学生時代“思い出の鉄道”

有村架純さんに鉄道のことを聞いてみようインタビュー#2

2018/12/02
note

連結器が目の前でガッチャンとはまる瞬間

――『かぞくいろ』は肥薩おれんじ鉄道が主人公の「一人」と言ってもよい存在感を出していると思います。その見どころはどんなところでしょう?

有村 小さい気動車が走るシーンとか、列車のソファに座った感じとか、先頭からの景色とか、萌えポイントはいろいろあると思うんです。中でも、強くおすすめしたいのは連結シーン。実際にやらせてもらって、連結器が目の前でガッチャンと気持ち良くはまる瞬間は、素直に「おおっ」て驚きました。監督も「連結シーンは絶対に撮らなければならない」って気合が入っていました(笑)。

 

――有村さんの運転士としての奮闘ぶりも見応えがありました。

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有村 出区点検のシーンでもエンジンの確認のほか、画には入っていないんですけど燃料のタンクを開けたりとか実際にいろいろな作業をしているんですよ(笑)。

雲の動きにこだわったシーン

――おれんじ鉄道の海を望む素晴らしい景色と、リアリティにこだわった運転士の日常とが物語に厚みを与えているような気がします。

有村 私の一番のお気に入りのシーンは、息子の駿也と一緒に遺骨を持って義理の父・節夫さんの家に向かうところなんです。あの場面は雲の動きにこだわって、ロケ最終日の予備日を使ってリテイクして撮ったシーンで、風景と感情がうまく重なっていると思うんです。そういう空の表情の移り変わりにも注目してほしいです。

 

――鉄道のある物語には、過ぎていく風景が大切ですよね。

有村 温かみのある、暖色の夕日の中を海を見ながら走っていく。おれんじ鉄道のかわいい気動車がそれに相まってより温かみを引き立てているのはすごくいいなと思います。『かぞくいろ』の主役はあくまでも肥薩おれんじ鉄道。おれんじ鉄道の持つ暖かい雰囲気を、作品を通じて感じていただけると嬉しいです。

 

写真=鈴木七絵/文藝春秋

INFORMATION

 ©︎2018「かぞくいろ」製作委員会

かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発

11月30日より公開中

有村架純 國村隼
監督・脚本 吉田康弘

ありむら・かすみ/1993年、兵庫県生まれ。2010年女優デビュー。13年NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で人気を博し、15年公開の『映画 ビリギャル』『ストロボ・エッジ』で数々の映画賞を受賞。17年NHK連続テレビ小説『ひよっこ』で主演。主な映画出演作品に『ナラタージュ』『コーヒーが冷めないうちに』『フォルトゥナの瞳』など。

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