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経営者の思いつきプロジェクトを「鎮火」させるために

馬鹿なことばかりやる、頭のいい人たちが集まっているはずの組織論

2018/12/06

 育児や介護など家族の事情もあるので常勤の仕事を全部辞めて2年以上が経つわけですが、その代わり、コンサルタントとしての非常勤のご依頼が増えて、それまで以上にいろんな会社の意志決定の現場を拝見する機会が増えました。人間、お呼びがかかるうちが華であります。

 で、私のような人間が呼ばれるときというのは、落ち着いてみんなで新しいことを前向きに考えよう! という素敵で建設的なフェーズ……ではなく、どちらかというと、やらかして、混乱して、にっちもさっちもいかない状態になって初めて「すいません、プロジェクトが燃えてしまいました。どうしたらいいでしょう?」というような破壊消火のようなサルベージ案件が多いのも致し方ないところであります。

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炎上案件を鎮火させるための「5つの必要なこと」

 もともとコンテンツ制作をしていたときは、やはりゲーム開発などで炎上案件に数多く携わってきたため、私はその点「どうやったら鎮火させられるのか」には一家言あるわけなんですけど、どのようなリーダーでも、どんなメンバーのスキル構成でも、いかなるプロジェクトでも、鎮火させるために必要なことはだいたい一緒で、次のような感じです。

(1)「そもそも俺たちは何をしたかったんだっけ?」というテーマの確認
(2)「燃えてるけど、このプロジェクトはどうしても完成させなければならないのか?」の意志決定
(3)「で、追加のリソースってどのくらい確保できるんだっけ」という見積もり
(4)「このリソースで求められているテーマを実現させるには何が必要なんだ?」という優先順位の決定
(5)「今回はとりあえずこれを作るけど、将来この先に何かやるべきことはあるのか?」という拡張性の有無の合意

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 平たく言えば、大なり小なりプロジェクトというのは同じ仕組みで運営され、同じメカニズムで炎上します。旅行の幹事のようなもので、そもそもこの旅行は何故行うのか(社員旅行だったら社員同士の懇親)、旅行で何をしたいのか(懇親なら宴会とかゲームとか温泉とか観光とか)、旅行の予算はどうなのか(全額社費で幾らぐらいとか、社員負担何割かとか)、目的地にどうやって行くのか(安くバスであげるのか、飛行機チャーターとかやるのか)、そして、そもそもこの旅行で社員はどこに行きたいのかってあたりが重要になってきます。逆に言えば、これが決まらない旅行は幹事がクズ野郎ということであり、こういう馬鹿にプロジェクトは任せてはいけないという話になります。地獄へ懇親旅行することになりますからね。