Ermenegildo Zegna

最高級の素材と着心地、そして機能性
伝統と革新が同居するデザイン

 もともと生地メーカーとしてイタリアで創業した〈エルメネジルド ゼニア〉。創業は1910年。1世紀以上にわたって世界中に高品質な生地を提供し続ける由緒正しき老舗である。ブランドのポリシーは「最高の素材は優れたデザインを、最高のデザインは優れた素材を求める」。まさに、である。これは服飾に限らず、食や住など、どんな分野にも通じる一つの真理ではないだろうか。真似することのできない超高品質な生地があるからこそ、それに伴うハイクオリティなデザインが実現する。それが〈エルメネジルド ゼニア〉が誇るコアコンピタンスなのである。

 さて、そんな歴史ある同ブランドだが、決して伝統にあぐらをかくことはない。新しい機能を備えた生地や、それを駆使したウエアの開発に非常に積極的。現代のライフスタイルにマッチする革新的なアイテムを多く打ち出している。素材、デザイン、そして機能が三位一体となったジャケットにはファンが多く、新商品を待つリピーターが後を絶たない。

用途別に大小さまざまなポケットを計10個装備した「10ポケッツジャケット」。ちょっとした外出時にはもちろん出張時にも便利。ハンズフリーが実践できる。生地には、太陽光を反射し生地の表面温度を約10度下げる特殊素材「クールエフェクト」を使用。夏場も快適。
ジャケット¥330,000/エルメネジルド ゼニア(ゼニア カスタマーサービス&03-5114-5300)、ハンガー¥30,000/(NAKATA HANGER 青山ショールーム TEL:03-6423-1222)

 “ネイビーのジャケット”はある種すでに完成された世界だ。その限定的な世界の中で差をつけるためには素材にこだわることが一番の近道。そこに機能性という付加価値が加われば、それに勝るものはない。

肩パッドがなく、裏地も省いたアンコン仕立て。生地は透けるほどに薄手で通気性が高く、着用時の清涼感が高い。これからの季節に最適だ。
外に3つ、内に7つのポケットを装備。大きいサイズのものからジップ付き、ガジェット用などさまざま。
 
一見無地に見える生地は実はバーズアイ柄。深みがある。
ボタンもネイビー。袖は本切羽になっている。

着心地、クラス感、機能性。どこに主眼を置くかで着地点は変わる。

限られた世界のように見えるネイビージャケットだが、スタイルや用途など、何を基準に選ぶかで見方は大きく変わる。 自分が求めるものは何か。その先に理想の一着が見つかるはず。

BOGLIOLI

軽やかな着心地はまるでカーディガンのよう

〈ボリオリ〉を代表する名作「DOVER」が前身であるプレステージラインの「K.JACKET」。軽量なアンコン仕立てで、その着心地はジャケットというよりもむしろカーディガンのよう。しっくりと体に馴染むストレスのない着心地が魅力だ。しかも本作はコットン100%のジャージー素材でいっそう着心地がしなやか。それでいてカジュアルになりすぎない、オン・オフをまたいで着用できる絶妙な一着だ。
¥98,000/ボリオリ(ボリオリ 東京店 TEL:03-6256-0297)

Paul Stuart

素材にこだわり抜いた“格上の定番”

定番人気を誇る段返り3つボタンのネイビーヘリンボーンジャケット。生地に良質な原料を使用したオリジナルの糸を使用。それを低速の織機で丁寧に織り上げることで、カシミヤタッチの柔らかさとヌメリ感、上品な光沢を実現させている。まさに手間暇をかけた名作だ。ロングスパンで着続けるシンプルなものだからこそ、素材に徹底的にこだわったものを選ぶのも手だ。
¥83,000/ポール・スチュアート(SANYO SHOKAI カスタマーサポート TEL:0120-340-460)

Brooks Brothers

進化したトラディショナル

アメトラスタイルの決定版であり不朽の名作である〈ブルックス ブラザーズ〉のネイビーブレザー。高温多湿な日本の夏のために開発された「ブルックスクール」は通気性、撥水性、軽量性が高く、さらにシワの防止効果とストレッチ性を備えているのが特徴。ベーシックでスタンダードなルックスとは裏腹に、実に機能性の高い一着だ。旅行などでもこれが一着あるとかなり便利。
¥64,000/ブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパン TEL:0120-185-718)

Mackintosh philosophy

他を圧倒する機能性とコストパフォーマンス

高機能で人気の「トロッターシリーズ」。家庭での洗濯が可能でシワになりにくく、ナチュラルストレッチ生地だからアクティブなシーンでもストレスフリー。さらに吸水速乾性を備え、背裏は抗菌防臭素材を使用。袖裏は接触冷感性があるから夏場でも不快になりにくいと、至れり尽くせりだ。仕立ても美しくこれだけの性能を備えていてこの価格というのも嬉しい。
¥35,000/マッキントッシュ フィロソフィー(SANYO SHOKAI カスタマーサポート TEL: 0120-340-460)

Photograph: Fumito Shibasaki(donna), Styling: Masaki Saruwatari Design: Shiraishi Design Office, Text:Jun Namekata(The VOICE)