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「珍しく怒りも覚えました」北大路欣也(79)が藤沢周平原作ドラマで感じた「大きなテーマ」とは

「珍しく怒りも覚えました」北大路欣也(79)が藤沢周平原作ドラマで感じた「大きなテーマ」とは

PR提供: 日本映画放送

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 今年もまた会えた──。新年からそんな想いを抱くファンも多いのではないだろうか。時代劇専門チャンネルのオリジナル時代劇「三屋清左衛門残日録」シリーズの最新作が、この1月、チャンネル初放送となる。老境に至った前藩主用人の日々を描く藤沢周平の連作長篇『三屋清左衛門残日録』(文春文庫)を原作とするこの大ヒットシリーズは、本作「あの日の声」で第6作。主演の北大路欣也さんは「今や清左衛門そのもの」と原作ファンも絶賛だ。

「この縁側に帰ってくると、気持ちがほっこり和みますね。清左衛門さんは、現実ではなかなかお目にかかれない大きな人物。これは藤沢先生の魂でもあると思いますし、そのエネルギーに支えられているから、衣装を身に着けた瞬間、自分を超えて清左衛門の世界に入っていける。やりがいがありますよ」

 北大路さんは笑顔でそう語る。『三屋清左衛門残日録』の世界に短篇「闇の顔」(新潮文庫『時雨のあと』所収)と「桃の木の下で」(新潮文庫『神隠し』所収)を融合させた第6作では、己の矜持をかけて正義を貫いた者に訪れる悲劇を目の当たりにする清左衛門の葛藤を、深くきめ細やかな演技で描き上げた。

「今回のテーマには、日本のみならず世界の現在とオーバーラップするような感覚を抱きましたね。政治や社会の情勢に激しく揺らぐ人間の心を感じて、珍しく怒りも覚えましたし、父と子の運命の行く末の悲しさ・厳しさには、“たぎり”のようなものを感じながら演じました。でも、その中でやっぱり一番大切なのは人との出会いであり、お互いを支え合う想いである。その大きなテーマに、今回もちゃんと辿り着くことができたと思います」

 2023年は時代劇専門チャンネルが開局25周年、北大路さんが傘寿を迎える記念すべき年。最新作のチャンネル初放送に向けて、北大路さん主演時代劇をはじめ豪華作品を特集する「祝傘寿 北大路欣也祭り」も放送予定だ。

「13歳から芝居を始め、さまざまな出会いと別れを重ねながら、七十を超えてこの作品に巡り合えた。それは本当に幸せです。清左衛門さんの人生に並ぶなんてとてもできないけれど、僕には僕の残日録がある。そう思いながら、大きな背中を追いかけていきます」

INFORMATION

シリーズ最新第6作
「三屋清左衛門残日録 あの日の声」

原作:藤沢周平
出演:北大路欣也 優香 小林綾子 松田悟志 黒川智花 内田朝陽 小野寺昭 駿河太郎 中村育二 伊吹吾郎 金田明夫 麻生祐未 伊東四朗
※2023年1月14日(土)よる7時ほか時代劇専門チャンネルにて放送。

提供/日本映画放送
©時代劇専門チャンネル/J:COM/時代劇パートナーズ 藤沢周平®

Text:Yuko Harigae(Giraffe)