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「あと20時間くらい喋っていいですか?」YouTube再生にWi-Fi機能、ステージ感を味わえる音質、“シンデレラ城”まで見える地図……高級カーナビに込められた“細かすぎるこだわり”

「あと20時間くらい喋っていいですか?」YouTube再生にWi-Fi機能、ステージ感を味わえる音質、“シンデレラ城”まで見える地図……高級カーナビに込められた“細かすぎるこだわり”

2024/01/30

PR提供: パイオニア株式会社

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「道は星に聞く」という秀麗なキャッチコピーとともに、パイオニアが世界に先駆け市販型のGPS式カーナビを発売したのは1990年のこと。本体価格30万円を超える当時のカーナビは、カーライフにおける「憧れの装備」だった。

 しかし、現在ではナビの価格もこなれ、新車購入時に「まぁ10万円くらいなら付けておくか」と、なんとなく装着している人も多いだろう。スマートフォンの普及もあって、ナビの「ありがたみ」は実感しにくい時代になった。

 わざわざ今さら、車の中でしか使えない機器に高いお金を払うなんて……と思ってしまうが、依然として、実売価格20万円ほどのハイエンドカーナビを選ぶ人は後を絶たない。一体、「高いナビ」のどこにそれほどの価値があるというのか。今回はパイオニア カロッツェリアのフラッグシップモデル「サイバーナビ」の実力を確かめるべく、同社のオフィスに足を運んだ。

ナビからダイレクトのYouTube再生で「ロングドライブも余裕に」

 待ち合わせ場所に現れた、カロッツェリアのプロモーションを担当している佐藤氏は、柔和な印象ながら緊張した様子はみじんもなく、自社商品に対する自信が窺える。

 早速、デモカーのもとに案内され、促されるまま助手席に乗り込んだ。ちらとナビに目をやると、なるほどスッキリと洗練された印象である。

インテリアパネルとの段差もなく、きわめて自然なフィット具合。デモカーに装着されているのは「9V型ラージサイズ」の「AVIC-CQ912Ⅲ‐DC」で、その他3種類のサイズ設定があるため数多くの車種に取り付け可能
インテリアパネルとの段差もなく、きわめて自然なフィット具合。デモカーに装着されているのは「9V型ラージサイズ」の「AVIC-CQ912Ⅲ‐DC」で、その他3種類のサイズ設定があるため数多くの車種に取り付け可能

「見てほしいところはたくさんありますが……」と、佐藤氏がナビを起動する。トップメニュー上のアイコンをタップし、まず開かれたのはYouTubeのブラウザだった。

YouTubeをカーナビの画面で見ることができるストリーミングビデオ機能が搭載されており、外部機器を使わずとも起動直後からアクセスできる。直接操作することが可能で、フリック入力での検索もスムーズだ
YouTubeをカーナビの画面で見ることができるストリーミングビデオ機能が搭載されており、外部機器を使わずとも起動直後からアクセスできる。直接操作することが可能で、フリック入力での検索もスムーズだ

「普段は当たり前にオンラインコンテンツを視聴していても、車の中だけは『テレビとDVDくらいしか見られない』という人はかなりいると思うんですね。サイバーナビではこのように、ナビ本体にYouTubeブラウザを搭載していますので、エンタテインメントの自由度が大きく向上しているんですよ」(佐藤氏)

*通信機能を利用する際は「ネットワークスティック」および「通信回線契約」が必要。ネットワークスティックは型番に「‐DC」がつくモデルに同梱され、それ以外では別売となる。通信回線契約については車内専用の「docomo in Car Connect」に加入するか、モバイルWi-Fiルーターやスマートフォンのデザリングも適用可能

 素直に「あぁ、これはいいなぁ」と声が漏れた。筆者自身、ドライブに飽きてグズる息子の対処にいつも四苦八苦しているからである。3人の子がいるという佐藤氏は、「いやもうホント、これだけでロングドライブが余裕になりましたよ」と、先輩パパとしての実感を滲ませる。

 さらに、その他のストリーミングサービスを視聴したい場合にも、HDMIで外部機器を接続すれば、手軽に好きなオンラインコンテンツを再生できるという。

サイバーナビをWi-Fiスポットとして利用することで、HDMI接続した外部機器も容量無制限で楽しめる。拡張性能はHDMI接続に留まらず、たとえばWi-Fiを通じて自宅のレコーダーから録画番組を再生することも可能
サイバーナビをWi-Fiスポットとして利用することで、HDMI接続した外部機器も容量無制限で楽しめる。拡張性能はHDMI接続に留まらず、たとえばWi-Fiを通じて自宅のレコーダーから録画番組を再生することも可能

「本体に通信機能があるだけではなく、Wi-Fiスポットとしても利用できるんです。回線契約として『docomo in Car Connect(*1)』に加入すれば、容量無制限で最大5台までの機器を接続できますから、スマホやストリーミングメディアプレイヤーなどで各自が別々のコンテンツを視聴することもできます。しかも、「‐DC 」が型番につくモデルであれば、1年間は無償で使用が可能です」(佐藤氏)

 進まぬ渋滞、泣きわめくわが子……これまで無数に繰り返されてきたであろう「ストレスまみれのお出かけ」にとって、サイバーナビは救世主となってくれそうである。

(*1)ドコモのLTE回線を車内で利用できるサービス。ニーズに合わせて「1日550円」「1ヶ月1,650円」「1年13,200円」の3プランから選択可能(価格はすべて税込み)

“リアルなステージ感”が体験できる、圧倒的な音質

 続けて佐藤氏は「ぜひ、サイバーナビの音質も体験してみてください」と、自身のスマホを操作する。

 イントロが流れた瞬間――無音だった車内が、あざやかに彩られる感覚があった。これが車の中で聞く音楽? とにかく、鼓膜に触れる音のひとつひとつが心地いい。

 思わず緊張が緩み、取材を忘れ助手席でリラックスしようとする筆者に、佐藤氏が「運転席はもっといい音ですよ」と促してくる。

 よく意味がわからないまま、運転席に移動してみる。再び同じ曲が流れた途端、あふれるような臨場感に、思わず「なるほど!」と叫んでしまった。隣で微笑む佐藤氏を見て、少し気恥ずかしくなる。それは「音楽が聞こえる」というのではなく、「みずみずしい音の粒が身体を包み込んでくる」という感覚だ。

個々のスピーカーから特定の座席に音が届くまでのタイミングを調整する「タイムアライメント」の設定画面。各スピーカーからの距離を設定することで、オーディオの「特等席」を実現できる
個々のスピーカーから特定の座席に音が届くまでのタイミングを調整する「タイムアライメント」の設定画面。各スピーカーからの距離を設定することで、オーディオの「特等席」を実現できる

「車の中ではどうしても、スピーカーとの位置関係が非対称になりますから、そのままでは本来の音場が再現できなくなってしまうんですね。しかし、このタイムアライメントで音が届くタイミングを合わせてやると、『真ん中にボーカルがいて、右側にギターがいて……』といったリアルなステージ感、クリアな音像感が実現できるんですよ」(佐藤氏)

タイムアライメントのほかにも、音質に関する機能が数多く搭載されている。画像はイコライザーの設定画面。イコライザー自体は珍しい機能ではないが、サイバーナビは最大で31バンドもの調整に対応している
タイムアライメントのほかにも、音質に関する機能が数多く搭載されている。画像はイコライザーの設定画面。イコライザー自体は珍しい機能ではないが、サイバーナビは最大で31バンドもの調整に対応している

 流れるように説明を加えながら、別の曲を再生しようとする佐藤氏。と、スマホに何も繋がっていないことに気づく。これだけの音質なら当然、有線接続だろうと思い込んでいたが、Bluetooth接続だったのである。

「最近ではストリーミングで音楽を再生している方も多いと思いますが、やはり圧縮されると音質は悪くなってしまいます。サイバーナビに搭載される『マスターサウンドリバイブ』は、圧縮音源でもハイレゾ相当の情報量を引き出すパイオニア独自の特許技術なんです。もちろんこれは一部を除いたほとんどのオーディオソースに適用されますので、DVDでもYouTubeでもBluetoothでも、原音に近い感覚でお楽しみいただけるんですよ」(佐藤氏)

 たしかにこの機能をオフにしてみると、なにやら音がしぼむような感覚があった。オンオフを何度か繰り返してみるが、目をつぶっていてもはっきりわかるほど音の情報量が違う。

マスターサウンドリバイブは、圧縮音源の再生時に発生するノイズを除去しつつ、マスター録音時にカットされる音楽信号を復元する技術。音源の圧縮率などに応じて2つのモードが用意されており、簡単に切り替えることができる
マスターサウンドリバイブは、圧縮音源の再生時に発生するノイズを除去しつつ、マスター録音時にカットされる音楽信号を復元する技術。音源の圧縮率などに応じて2つのモードが用意されており、簡単に切り替えることができる

 筆者はこれまで「車内にいる時間など限られているのだから、音にこだわってもしょうがない」と信じ切っていた。しかし、これは……もはや「車で音楽を聴くためにドライブに出かける」というレベルの違いではないか。

オンライン化で「目的地設定」や「ルート探索」のストレスも解消

 しかし、肝心のナビとしての性能はどうか。車載型のカーナビにおいて、まずストレスになりやすいのが目的地の設定である。

「今回は音声検索の機能をかなり強化しているんですよ」と、佐藤氏がトップメニューからマイクのアイコンをタップし、「京都 名所」と口にした。すると、検索結果画面には清水寺や天橋立をはじめ納得感のある観光名所が並ぶ。オンラインのデータを参照することで、検索回数の多い地点など、意図に沿った結果を表示してくれるのだ。しかも、カーナビに収録されていない最新のスポットまで検索できるというから、まさにオンラインでつながっているからこその恩恵だ。

フリーワード音声検索は、「地名+ジャンル」などざっくりとしたキーワードのほか、住所や電話番号による検索にも対応。「紀尾井町3-23」など住所の数字部分も的確に認識してくれる
フリーワード音声検索は、「地名+ジャンル」などざっくりとしたキーワードのほか、住所や電話番号による検索にも対応。「紀尾井町3-23」など住所の数字部分も的確に認識してくれる

 音声認識の精度も高い。滑舌が悪く、こもった声の筆者が試してみても、しっかりと発話内容を聞き取る。出発前にありがちなタイムロスも、これなら大幅に改善できそうだ。

タッチパネルから入力する際にも、当然のごとくフリック入力に対応している。予測変換はもちろん、目的地として検索されることの多い施設名などをオンラインデータからサジェストするため、数文字の入力で目的地を見つけられることも珍しくない
タッチパネルから入力する際にも、当然のごとくフリック入力に対応している。予測変換はもちろん、目的地として検索されることの多い施設名などをオンラインデータからサジェストするため、数文字の入力で目的地を見つけられることも珍しくない

 さらに、オンライン化の恩恵はルート探索の精度にも及ぶという。佐藤氏にルート候補がどのように導出されているかを尋ねると、待っていたとばかりに目を輝かせながら答えてくれた。

無数のルート候補について所要時間などを演算し、推奨ルートを6つに絞って提案してくれる「6ルート探索」の結果画面。所要時間や料金を比較したうえで好みのルートを選べる
無数のルート候補について所要時間などを演算し、推奨ルートを6つに絞って提案してくれる「6ルート探索」の結果画面。所要時間や料金を比較したうえで好みのルートを選べる

「各ルートの所要時間は、リアルタイムの情報と、過去の膨大な走行データを統合しながら算出されています。演算の際には区間ごとに所要時間を計算し、出発地付近ではリアルタイムの情報を、後の区間については蓄積データを優先して参照するようなかたちですね。

 もちろん、蓄積データは季節や天候、曜日や大型連休などさまざまな要因を考慮して所要時間の予測に反映されていますので、到着予想もズレにくいんですよ」(佐藤氏)

リアルタイムの道路情報として収集されている「スマートループ渋滞情報」は、日本国内における道路の総延長約128万kmのうち、幅員5.5m以下の細街路を除いた約70万km分に対応。通常のVICS情報では混んでいるかどうかわからない道についても、混雑の度合いを考慮してルートを選んでくれる
リアルタイムの道路情報として収集されている「スマートループ渋滞情報」は、日本国内における道路の総延長約128万kmのうち、幅員5.5m以下の細街路を除いた約70万km分に対応。通常のVICS情報では混んでいるかどうかわからない道についても、混雑の度合いを考慮してルートを選んでくれる

高精度の自車位置測位でドライブの不安を払拭

 実際に設定したルートを走り出してからも、パイオニアならではの親切設計を実感できるポイントがあった。「100m先を右方向です」といった案内に加え、ちょうどいいタイミングで「この信号を右です」と伝えてくれるので、視線を移動させずとも曲がる箇所がわかるのである。

案内地点までの距離を考慮しながら、レーン情報や目印となる施設、交差点名などを順次伝えていき、最終的に「ここ」というタイミングで曲がる箇所を伝える
案内地点までの距離を考慮しながら、レーン情報や目印となる施設、交差点名などを順次伝えていき、最終的に「ここ」というタイミングで曲がる箇所を伝える

「この『ジャスト案内』という機能は、実はかなりの技術が求められるポイントなんです。自車位置を逐一計算しながら、どんなスピードで走っていてもちょうど規定のポイントに差しかかる時点で音声案内が言い終わるように調整しているんですよ。

 少しでも自車位置がズレてしまうと、『この信号を右です』といった案内もできないわけですが……パイオニアのナビはGPSだけに頼らず、加速度やジャイロセンサーなども組み合わせながら自車位置精度専用システムで割り出していますから、高架下やトンネルなどのGPSが届きにくい場所でも正確に位置を把捉できるんです」(佐藤氏)

車両の旋回や道路の傾斜までも考慮に入れながら自車位置を割り出すため、GPSが不安定な場所でも正確に自車位置を表示する
車両の旋回や道路の傾斜までも考慮に入れながら自車位置を割り出すため、GPSが不安定な場所でも正確に自車位置を表示する

 説明しながら、佐藤氏のトーンが過熱していく。その言葉のとおり、取材中には地下2階の立体駐車場に入るシーンがあったが、自車位置を示す矢印はスムーズに動き続けていた。ナビを再起動した直後もしっかりと位置を捉えているので、再出発もスムーズである。

もちろんマップ画面にも“細かすぎるこだわり”が

 予定時刻が迫り、元の駐車場に戻ったあとも、佐藤氏のトーンは熱いままだ。マップ画面を開きつつ、急ぎ足ながら丁寧に説明を加えてくれた。

交差点名やランドマークなど運転中に必要な情報が一目でわかるマップ画面。なお、コンビニやガソリンスタンドなどの主要施設は、営業時間外の場合シャッターが降りているアイコンが表示される。ルート案内中にコンビニなどに寄りたくなった場合には、駐車場やトイレの有無、道路のどちら側にあるのかといった情報も検索画面から確認できる
交差点名やランドマークなど運転中に必要な情報が一目でわかるマップ画面。なお、コンビニやガソリンスタンドなどの主要施設は、営業時間外の場合シャッターが降りているアイコンが表示される。ルート案内中にコンビニなどに寄りたくなった場合には、駐車場やトイレの有無、道路のどちら側にあるのかといった情報も検索画面から確認できる

「パイオニアは『パッと見て直感的に判断できる地図づくり』を目指し、道路の色分けから画面上の文字表示、交差点などでのイラスト表示など、徹底してこだわっています。細かいところでは縮尺表示ですね。一般的なナビは、共通の地図画像を使って拡大縮小しているわけですが、サイバーナビはスケールごとに1枚1枚デザインして、どの縮尺でも見やすいようにアレンジしているんですよ。さらにサイバーナビは通信を活用し、この地図データまでも、自動で最新のものに更新することができるんです」

拡大表示した際の地図は、驚くほど細密に書き込まれている。大型施設であれば施設内の配置図まで確認でき、たとえば東京ディズニーランドを拡大していくと、“シンデレラ城”などの場所も分かる
拡大表示した際の地図は、驚くほど細密に書き込まれている。大型施設であれば施設内の配置図まで確認でき、たとえば東京ディズニーランドを拡大していくと、“シンデレラ城”などの場所も分かる

 目を爛々とさせながら語る佐藤氏の表情は、まるでメカに夢中の小学生のようだ。その目に滲むのは、自社の商品に対する大きな誇りと愛情である。

 その勢いに、もはや「や、やべぇ……」と苦笑いするしかない筆者。佐藤氏はテンションを保ったまま、笑顔で「あと20時間くらい喋っていいですか?」と言ってくる。冗談として受け流したが、都合さえ許せば本気で一日中喋り続けていたにちがいない。

 サイバーナビに搭載される高度な技術の数々には、パイオニアが長年ナビメーカーとして培ったノウハウと、熱意が凝縮されている。その多くは気づかれることのないまま、安心できるドライブを、快適なエンタテイメント空間を陰で支えているのである。

 ……デモカーを離れる際、ふと息子の顔が浮かぶ。我が家にこの車があったら、彼はどれだけ喜ぶだろう。ドライブそのものが楽しくなれば、行動範囲も広がり、さまざまな体験の可能性も広がっていく。カーナビを「家族の思い出の土台」と考えるのであれば、それはむしろ「積極的にお金をかけるべきポイント」なのかもしれない。

提供:パイオニア株式会社