アフガニスタンを舞台にアメリカ軍兵士とアフガニスタン人通訳の絆を描いた『コヴェナント/約束の救出』(2月23日公開)。『ブロークバック・マウンテン』でアカデミー賞、『ナイトクローラー』でゴールデン・グローブ賞にノミネートされたジェイク・ギレンホールが主演を務め、『ジェントルメン』や『オペレーション・フォーチュン』で知られるイギリスの名匠ガイ・リッチーが監督した本作は、すでに海外の批評サイトなどで高評価を得ている。
公開に先駆け、このたび週刊文春CINEMAオンライン独占で特別映像が解禁になった。ギレンホールやリッチー監督のコメントも織り込まれた映像は、アメリカ軍兵士のキンリー(ジェイク・ギレンホール)とアフガン人通訳のアーメッド(ダール・サリム)との出会いのシーンから始まる。
アーメッドは自分がアメリカ軍に協力するのは「カネのためじゃない」、タリバンに「息子を殺された」からだと告白する。
アメリカに帰国したキンリー。「家族はみんな夫が死んだ」と思っていたという妻キャロライン(エミリー・ビーチャム)は、「アーメッドは命の恩人」だと夫を救ってくれた勇気ある行動に感謝をする。
そしてキンリーは自分を助けたことでアーメッドがタリバンに狙われていると知ると、「俺が彼を見つけに行く」と自力でアフガニスタンへ戻ることを決意。制止する周囲に対し、キンリーは「彼のことを忘れろと? そんなのは無理だ!」と熱い思いを叫ぶのだった――。
田原総一朗、デーブ・スペクター、藤岡弘、らのコメントも到着
また、特別映像にあわせ、一足早く本作を鑑賞した著名人の感想も公開に。ジャーナリストやキャスター、通訳・翻訳者、NPOメンバーなど10名が熱いコメントを寄せている(50音順・敬称略)。
キニマンス塚本ニキ(英語通訳・翻訳者・ラジオパーソナリティ)
不条理な戦争では、弱い立場の者はさも当然のように駒にされる。
ジョンのように義を尽くす人がもっといてくれたら、あの紛争の結末は違ったんじゃないだろうか…と思わずにはいられなかった。
エンドロールが終わってから遠い国の同業者たちの犠牲と代償についてずっと考えている。
新谷里映(映画ライター)
米軍のキンリー曹長とアフガン人通訳のアーメッド。彼らの間に芽生える関係をどう呼べばいいのか──。「友情」だと何だか軽すぎる、「絆」でも深みが足りない、「誓約」の先にある結びつき。そんな目には見えないはずの関係が、はっきりと映し出されているという敬嘆。2人の俳優の視線と佇まいに、ただただ痺れました。
瀬谷ルミ子(認定NPO法人REALs(リアルズ) 理事長)
タリバン政権が発足した2021年以降、1300人近くのアフガン人の退避・保護支援を行ってきた。祖国の平和と発展を願い、政府・外国機関や社会活動に関わっていた人が多い。今この瞬間も、家族全員に殺害予告が出るなか、命のビザを待ち2年以上潜伏生活を続ける人々が多数いる、その現実を知ってほしい。
なお、米国の通訳だったアフガン人男性の退避支援には14ヵ月を要した。
竹田ダニエル(ライター)
戦争、裏切り、欺瞞。
アメリカが掲げる「自由」の裏に隠された、数多くの犠牲。
巧妙なスリルとストーリーテリングを通して、果たされなかった「約束」に光を当てる。
田原総一朗(ジャーナリスト)
米軍に協力したアフガン人通訳との絆を描いた、スリルあるエンターテインメント映画だ。
タリバンが政権を奪取した後、米国への亡命を約束されていた数多くの通訳は約束を反故にされ、タリバンに家族もろとも処刑された。彼らへの鎮魂歌でもある。
デーブ・スペクター(放送プロデューサー)
義理人情のアメリカ版!
大変ユニークなストーリーで他の映画とカブール事がない!
アフガニスタンから帰還したアメリカ軍兵士のキンリー。戦場で生まれた絆を忘れられない。
「約束」の実現を果たせるか最後まで分からない緊迫の作品。
通訳の話なのに言葉がないくらい絶句!
言葉を訳せても心中を明かさない頑固な男二人。展開で変わるそれぞれのミッションから目を離せない。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
そもそも大義のないアフガン戦争に協力する是非をとりあえず置いておいて、欠かせない役割を担った通訳者に対する恩義を無視したアメリカ政府の姿勢が如実に表れている映画です。
イギリスの暗黒の世界が得意なガイ・リッチーがこんな題材に着目するのも興味深いです。
藤岡弘、(俳優)
生き抜くとは!!
真の修羅場を知る、非情、容赦なき戦場
緊迫感が押し寄せ、揺さ振られ心に響く。
男の約束、固い絆、強い意志と信念。
恩義に報いる人間として葛藤する命を懸けた
真の男の姿がここにある。
「彼のことを忘れろ!!それは無理だ、家族を助けに行く。」
この一言が私の心に刺さり、目が離せなくなった。
お互いに背負った過去、家族への愛、
深く掘り下げた究極の人間ドラマに触れた・・・
合掌、
モエガミ(サバゲーマー)
単なる戦争アクション映画ではなく登場人物たちの行動が目頭を熱くさせるアクションドラマ作品です。アフガン戦争で投入されたアメリカの装備、兵器がこれでもかというくらいに映画内に出てくるため、ミリタリーオタクにとっても非常に満足のいく作品であることは間違いありません。大作として評価したいオススメ映画です。
安井浩美(共同通信カブール支局 通信員)
気持ちが弱くなっていたり、
人間不信になっていたり、
人生に迷っている人も、
多くの問題を抱えた時代に生きている私たちに、
温かなヒューマニティを感じさせる作品だと思います。
STAFF&CAST
監督・脚本・製作:ガイ・リッチー/出演:ジェイク・ギレンホール、ダール・サリム、アントニー・スター、アレクサンダー・ルドウィグ、ボビー・スコフィールド、エミリー・ビーチャム、ジョニー・リー・ミラー/2022年/アメリカ/123分/配給:キノフィルムズ/2月23日公開
提供/(株)キノフィルムズ