全身からだんだん力が抜けて、リビングの照明が遠くなっていく……ハッと我に返る。たしか帰宅後に晩酌した後、ソファで横になってウトウトしていた。が、このまま寝落ちするわけにはいかない。お風呂に入らなければならないのだ。

 頭の中では、自分の分身たちが不毛な会議を行っている。

「たまには風呂入らなくていいじゃん。疲れているんだから」

「ダメダメ。お風呂に入らないと、起きた時、身体がベタベタでテンション下がるし。入ったら入ったで、絶対気持ちいいから」

「いや~、でも、今さら体を洗う気力なんてないよ」

 結局、深夜、這うようにして、浴室へ行くことになる。

 なぜなら、わが家では、入浴せずに就寝することは寝具を汚す重罪とされているからだ。

 服を脱ぎながら、いつも思う。「ああ、毎日お風呂に入るのって面倒くさいなあ」と。

世の中の7割以上の人が入浴を面倒と思っている⁉

 つい先日、文春オンラインの編集者・Uさんにそんな話をしたら、こんなことを言う。

「今はやりの風呂キャンセル界隈ですね」

 ちょっと前、「風呂キャンセル界隈」というワードがSNSでバズッたそうである。
面倒という理由から、お風呂やシャワーをパスする人たちをこう呼ぶのだそうだ。

 Uさんに住宅設備機器メーカーのLIXILが行った、入浴に関する意識や実態の調査結果を見せてもらった。

以下、すべて2024年6月 LIXIL調べ
以下、すべて2024年6月 LIXIL調べ

「『入浴を面倒に思っている人』はじつに71.9%に上りました。その理由は『疲れているから』が51.7%、『眠いから』が27.2%となっています」

 なんだ、私だけではなかったのだ。じゃあ、みんなどうしているのだろう?

「『気合いを入れていつも通り入浴する』が57.1%、『いくつかの工程を省略して入浴する』が25.1%、『その日は入浴をやめる』が17.6%、『その他』は0.2%となっています」

『その他』の内容が気になるところではあるが(汗)、とにかくここがちゃんとお風呂に入る人と、風呂キャンセル界隈とのボーダーラインなのだ。

 気合いでお風呂に入る人が約6割もいるのは、真面目な国民性ゆえか。ただ、それより気になったのは、『いくつかの工程を省略して入浴する』という妥協策。一体、何を省いているのか?

「洗身」「洗髪」が入浴を面倒にするハードルに?

「省略する作業のベスト3は……1位が『湯舟につかる』、2位が『髪を洗う』、3位が『ボディソープなどを泡立てて身体中を洗う』です」

 湯舟につかるのを省略するのはわかる。だが、洗髪や「身体中を洗う」ことを省略するというのは正直驚きだった。もう少し調査結果を詳しく見てみよう。

『身体を洗う際に最も気を付けていること』の問いには、28.1%もの人が『汗や皮脂の汚れが落ちているか』、20%の人が『におい』と回答している。つまり、体を洗うことを省くとしても、大半の人は、汗や皮脂、においが気になっているということだ。

 身体を洗うことのハードルが下がれば、入浴はもっと楽になる。

「ササッと体を洗えて、大体1分以内に湯舟に入れたら、最高ですねぇ」

 私がそう言うと、U氏の目がキラリと光った。

「ですよね。そこでぜひ試してほしいシャワーがあるんです」

自宅に話題の泡シャワーがやってきた。自力で設置できるのか?

 3日後、わが家にダンボール箱が届いた。

 開封すると、「KINUAMI」と書かれた高級感のある白いケースが収められていて、中には両手で簡単に抱えられるくらいの大きさの白い機器とシャワーヘッド、ホースなどが収められていた。

 調べてみると、KINUAMI(キヌアミ)とは株式会社LIXILが企画開発したシャワーブランドとのこと。

 その看板商品である泡シャワーは、2022年5月の一般販売の開始以降、着実に販売数を伸ばし、TVなど多数のメディアでも紹介されるなど今話題の注目商品らしい。

 スイッチひとつでお湯と泡を簡単に切り替えることができ、シャワーヘッドから噴出するキメ細やかな泡が身体中を包み込むことで、手軽に体を洗えるという。これが本当ならば、まさに風呂キャンセル界隈の救世主ではないか!

 ただ、不安に思ったのは、自力で浴室に設置できるかどうか。なにせ私はプレステ5の設定も満足にできない昭和生まれのオジサンなのだ。

 だが、心配は杞憂に終わった。本体の裏側はマグネットになっているから、浴室の壁に直接くっつけることができる。次にシャワー栓と機器をホースで接続し、本体にシャワーヘッド付きのホースをつなぐ。あとは本体にバッテリーと専用ボディソープを入れれば、準備は完了だ。わが家の場合、工具を使う必要さえなかった。

マグネット式なので、浴室の壁に「ペタッ」とくっつけて設置完了。あとはホースをつなぐだけ。※浴室環境によります。
マグネット式なので、浴室の壁に「ペタッ」とくっつけて設置完了。あとはホースをつなぐだけ。※浴室環境によります。
専用のボディソープを投入。ハンドルを手前に倒すと泡が、上に戻すと普通のシャワーになる。
専用のボディソープを投入。ハンドルを手前に倒すと泡が、上に戻すと普通のシャワーになる。

 壁にマグネットがつかない浴室でも問題ない。金属プレートと接着テープからなるオプションパーツ(別売り)を使えば、簡単に設置できる。シャワーのメーカーがLIXIL以外でも、付属の接続パーツで対応できるようになっている。

ハンドルひとつで、シャワーヘッドからキメ細やかな濃厚泡が!

 実際に使ってみる。通常のシャワーを浴びた後、本体のハンドルをガチャッと下げる。すると、内蔵モーターがウィィィ~ンと作動。数秒後にシャワーヘッドからシュワワ~ッと勢いよく白い泡が噴き出してきた。クリーム状のこっくりとした濃厚泡があっという間に全身を包み込む。泡は弾力があって肌に程よくとどまるため、あとは手のひらでなでるように洗うだけで、汗や皮脂汚れが落ちていく。

 ハンドルを上に持ち上げれば、通常のシャワーに切り替わる。泡はお湯でさらりと流れ、さっぱりとした洗い心地だ。

 入浴にかかった時間の短さにも驚いた。私の場合、シャワーを浴び始めてから、わずか30秒ほどで体を洗う作業が完了した。何よりボディタオルにボディソープをつけて泡立てる、使ったボディタオルを洗う、などといった工程をまるごと省けるから、体を洗うのが面倒くさくない。泡で体を洗い、その勢いでシャンプーをして、まとめて身体中の泡を一気に洗い流す、という3ステップなら、入浴時間をさらに短くできる。

 使ってみて、この手軽さと爽快感はコイン洗車場に通じるものがあると思った。手洗いでの洗車だと、泡をつけたブラシで全体を洗う必要があるが、コイン洗車場であれば、高水圧の泡シャワーで一気に洗うことができる。

 KINUAMIが届いたその日から、お風呂に入ることが苦ではなくなった。いや、それどころか、楽しみにさえなった。

 

KINUAMIの詳細はこちら

生活のさまざまなシーンで感じる「あってよかった」

 KINUAMIは、45歳、4児を抱える中年男性の日常生活にさまざまな恩恵をもたらした。

 たとえば、スポーツ後のシャワータイム。私は毎朝ランニングをして、波のある時はサーフィンをする。そのたびにシャワーを浴びるのだが、汗や海水はなかなかお湯だけでは落ちない。その点、泡シャワーなら、短時間で身体中をキレイにできる。

 小学生の子供との入浴もじつにスムーズに。シャワーヘッドから噴き出る泡に子供たちもよろこび、せっせと体を洗う。一瞬で身体中を泡で覆える為、体を洗う順番待ちも解消された。

 風呂ぎらいの男子中学生にも効果テキメンだ。以前は、浴室に送り込むと、F1のピットインぐらいの時間で飛び出してくるのが常だった。だが、泡シャワー導入後は、きちんと体を洗うようになった。部活から帰った後、足だけをサッと洗うのにも重宝しているよう。

 専用ボディソープの完成度も高い。40歳を過ぎた頃から、体を洗った後の肌の乾燥が気になっていたが、KINUAMIの専用ボディソープはヒアルロン酸やアロエエキスなどの保湿成分がたっぷり配合されているから、肌が程よくしっとりしてつっぱらない。ボディタオルで肌をこすらなくなったのも、肌がスベスベする理由と思われる。プライスも500㎖で990円(税込)と、クオリティを考えれば、決して高くない。1本で33回ほど使えるので、1回あたり30円の計算だ。

 他人の体も洗いやすいことから、介護の現場でもよろこばれているという。中高年のオジサンが五十肩やぎっくり腰にかかっても、入浴をサポートしてくれるだろう。まさに、かゆいところに手が届く、いや泡が届くのだ。

 

KINUAMIの研究結果を見る

 

 KINUAMIのボディソープの洗浄力は99.3%(洗い後10分後の肌の皮脂量)で、市販のボディソープで洗った場合と比較しても、同程度の洗浄率が確認されている。また洗浄力に加え、従来の身体洗いと比較したときに約10%も潤いがUPするという結果を持ち、保湿力も実証されているのだとか。汚れをきちんと落としながらも保湿性も考慮した、実にバランスの良い製品といえる。

結論! KINUAMIは “お風呂が面倒勢” を救う

 夜、少々ウトウトしても、お風呂へ入ることへの抵抗をほとんど感じなくなった。いつの間にか、私は風呂キャンセル界隈の住人ではなくなっていた。

 私は特に家電フリークというわけではなく、できれば最低限のものを使ってシンプルに暮らしたいタイプの人間だ。そんな私でも、KINUAMIは使い続けるにつれ、手放したくないという気持ちが強くなった。

 今や4~5万円する高級シャワーヘッドも珍しくない。そう考えれば、これだけのパフォーマンスを発揮する泡シャワーが88,000円(税込)というのは高くはないと思う。

 近い将来、KINUAMIが一家に一台、という時代がくるのではないだろうか。

 

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