脱衣所で感じる寒さやお風呂場での冷えが応えるこの季節、一日の疲れを癒すはずのお風呂時間が億劫になる方も多いかもしれない。その悩みは解消することができないのか? 三菱地所ホームのモデルハウスを訪れて、独自開発した全館空調システム「エアロテック」を体験してみると……。

写真提供 三菱地所ホーム

「うちのお風呂場、こんなに寒かった?」


 季節のはざまに立つと、空気の匂いが変わる。

 ついこのあいだまで汗ばんでいたのに、日が暮れるにつれて下がっていく気温から逃げるように帰宅して家の湯船にようやく身体を沈めたなら、もうその後の洗い場ではどんどん身体が冷えていくのだ。


「え、うちのお風呂場、こんなに寒かったっけ?」

 たぶん毎年、同じことに驚いている。

 日々の疲れを癒すはずのお風呂時間が、寒さで億劫になりかねない季節がやってきた。特に真冬に近づくほど、廊下や脱衣所での冷えに身震いしながらお湯に浸かる人も多くなることだろう。


 いくら掛け湯をしたところで小さくない温度差は身体に応える。更年期の自律神経は脆弱で、他人事だと思っていたヒートショックの話も無視できない年齢に差しかかってきた。これ、暖房が足りないっていうこと? 家のつくりから違うと全然違うものなのかしら。

 そんなふうに漠然とした不安を感じていたタイミングだった。



「あ、なんか違う…玄関で感じた“包まれるようなぬくもり”」


 若い女性で平日から賑わう、JR新大久保駅からほど近いハウジングステージ新宿。
そこに建つ、三菱地所ホームのモデルハウスに取材で訪れた。



 玄関のドアを開けるとLDKまで室内の扉や仕切りのない開放的な空間が広がる。

三菱地所ホーム「新宿ホームギャラリー」の玄関。玄関のドアを開けるとLDKまで室内の扉や仕切りのない開放的な空間が広がる。 撮影 細田忠/文藝春秋

 ドアを開けて、建物内に入った瞬間には確かに深まりかけた秋の外気温との差を感じた。あたりまえだ。近年 、年間通じて空調の効いていない建物なんて東京にはそう無い。靴を脱いで、スリッパに替える。その前に一度、床を踏んだ。

 ストッキング伝いに、ほんのり温かい。

 ああ、これまた近年よくある全館床暖房なんだろうと勝手に合点した。だって展示場なのだもの。

 そうしてダイニングスペースに誘われてひとしきり話などをしている間に、不可思議な違和感をおぼえはじめた。いや、違和感がない。なさ過ぎることに気づいたのだ。暑くも寒くもない。ちょうどいい。ぬくもりはあるのに、暖かすぎない。


 何も感じない。空調への違和感が「ない」。



 上部の大きな窓から明るい自然光が差し込む。

ダイニングはスケルトン階段+吹抜け。上部の大きな窓から明るい自然光が差し込む。 撮影 細田忠/文藝春秋

 恥ずかしながら筆者、実は暖房にも冷房にも弱い。年間通して手荷物には薄手のウールの上着が不可欠だ。夏の冷房より冬の効き過ぎた暖房で調子を崩す。だから冬はなるべく薄着にして自分の衣類で調節するほかないと観念している。



 しかしここでは、コットンのシャツブラウス一枚でいられて、かつ温風や床からの暖気を感じるわけでもない。



 空気全体、一定の湿度感も含めて、空間そのものが整っている印象なのだ。


「床暖房はついていないんですよ」


「えっ、あの玄関も?」


「この、ダイニングも、キッチンも、リビングもです」

 ほんとうに?


「ヒートショックの境目が、ない」


 ダイニングスペースから移動して、洗面脱衣所~浴室内まで動くも温度差がなく、これなら真冬にバスタオル一枚でも歩き回れる。



 部屋から廊下、廊下から階段、部屋から部屋。住宅の日の差さない北側のエリアで感じる冷え感もまるでない。体感としてまるで「ずっと春の陽だまりの中にいる 」ような平坦さなのだ。

 これなら、たとえ真冬の深夜にトイレに起きたとして、なんのストレスも感じないだろう。「暑い」とも「寒い」とも、ヒヤッともモワッともせず、いわば「ヒートショックの境目」が、住まいのどこにも存在しない。



 そう、ヒートショックとは、寒暖差によって血圧や心拍に負担がかかる現象のこと。特に冬の浴室(浴槽から出入りする瞬間)や脱衣所、トイレなどで起こりやすい。

 脳卒中や心筋梗塞のきっかけになることもあり、交通事故よりも多いとされる死亡原因の一つだ。
 

 あまりにも身近で、でも「うちは大丈夫」と油断しがちな、家庭内リスク。けれど、いま目の前にあるこの空間には、その暑さ寒さがない。


「あたたまりすぎる前に冷える」ことも、「冷えすぎたあとに急に温まる」ことも起きない。



「エアロテックって、どうしてそんなに快適なの?」



 そうでありながら空調機器に囲まれているという感覚もないのが、不思議なところだ。


「空気そのものが家になっている」感覚なのだ。

 床暖房でもないのに、末端冷え性で氷のようになりがちな筆者の足先にも、じんわりとした人の体温に近いあたたかさが届いている。


 これが三菱地所ホームが独自開発した全館空調システム「エアロテック」のちからだ。



 40年以上の研究開発と、30年の販売実績をもつ「エアロテック」は戸建て住宅での全館空調の先駆けだ。家全体の空気を一括して制御しながら、しかも1℃単位で部屋別に細かな温度調整を可能としている。



 その心臓部はたった1台の室内機。張り巡らされたダクトで空気を循環させ、玄関や廊下までムラなく整える。

写真左側の扉の中にあるのが室内機。 撮影 細田忠/文藝春秋

 一方、家全体で一括されてしまうと、日当たりの良し悪しなどによって逆に温度ムラができてしまうものだが、エアロテックは一部屋ごとに調整できるから日当たりのよい部屋は低めの暖房設定、空間が広い部屋は少し高めの温度設定と柔軟に温度調整ができる。

各部屋にあるルームコントローラー。部屋ごとの室温調整とタイマー設定や、空調のキープ運転の設定ができる。 撮影 細田忠/文藝春秋

 部屋ごとの室温調整とタイマー設定や、空調のキープ運転の設定ができるのだ。

 そうすることで本当にどの部屋でも快適な室温が保たれるわけだ。

 文字どおり24時間365日、家の中の空気環境は最適化される。各部屋の空気の流れや気密性も計算されている。


 そして筆者が違和感を感じるほどの各部屋での「無音に近い」稼働音と、直接「風があたらない」などといった従来の空調との存在感の圧倒的な違いに「エアコン」「空調」への固定概念が音もなく、崩れ去っていく。


暮らしの快適さを支える空気
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「“あたたかさ”は、命を守る設備になる」



 ヒートショックによる入浴中の急死は、高齢者においては年間およそ6000人にのぼるともいわれる。これは交通事故死者数のおよそ3倍にもなるという。
 


 実際、冬場に家庭の浴室で命を落とす人の多くは、風呂場や脱衣所とリビングの温度差に起因する血圧変動が原因とされている。

 つまり、命を脅かす「敵」は冬の家の「寒さ」そのものではなく「温度差」だ。

 特に高齢者や幼児、持病を抱える人にとっては、こうした急激な変化が小さなトリガーになり得る。「身体がついていけない」というのは、誰にでも起こりうる現象だ。


 つまるところ、ポイントは家が温度差を生まない構造になっているか、どうか。


 暖房器具を増やすことでは補いきれない、建物の空気の問題なのだ。

 全館空調システム「エアロテック」で実現する「空気のバリアフリー」は、ヒートショックの最大の予防策になる。それは命を守る設計思想でもある。



 同時に健康の礎ともなる睡眠にも関わる。年間通して寝室の温湿度環境が一定であることは、眠りの質を高め 、ひいては学業や仕事の効率にすら響いてくるだろう。



「家の中の空気を整えること」は、けして贅沢ではない。住む人の健康を支え、安心して歳を重ねていくために必須な、いわば住宅の基礎体力なのだ。


「“健康的に暮らしている”エアロテック オーナーの声」
 


●裸足で過ごせる

「冬に家にいる時には、床暖房がないのに靴下を履かなくて良くなりました」



●ホコリが溜まらない



「家の中がどの部屋も季節を問わずほぼ一定温度に保たれるので、ヒートショックの心配もなく、冬に特に厚着をせずにすむので快適な生活が送れます。また家の中の汚れもすくないのが助かります」


●安心できる

「一年中、寒暖差を意識しない生活で快適です。時折、他家を訪問すると寒暖差があり、長居を遠慮せざるを得ません。自宅が一番という思いでおります」

「以前、高齢の母と同居しておりましたが、寒暖差がないため、体調回復が早く寿命が延びたように思っております。これもエアロテックのおかげと思い、替えてよかったと実感している日々です」

「以前狭心症を発症したことがあるため、冬の寒さ、特に屋内の温度差には神経質にならざるを得ませんでした。全館空調となり自宅内の温度差がほぼなくなったことによって、快適さはもとより、精神的な安心感が大きく増したのが非常にありがたいです」


(上記はすべて個人の感想です)

「快適を超えた安心があった」


 半世紀生きてきて、個人的によく思うようになったことに、「ない」の価値というものがある。


 痛みも、寒さも、違和感も「ない」。その“ない”が、何よりの価値だと気づかされる。そんな「ない」の一つ、空調という存在感の「ない」状態のすごさを、この展示場で体感することになった。この感覚は、身体に刻み込まれた。


 とはいえ私たちはともすれば「ある」に固執しがちだ。

 暖かさが「ある」、機能が「ある」、お金が、健康が……キリがないが、まあ確かに「あって」間違いなく良いと言えるものは「体力」だろう、実感がこもるが。それは人の身体の体力のみならず、住まいそのもののそれも、同様だ。



 人における体力、住まいにおける機能で言えば、この30年ほどで一般的にいうところの「高性能な家」は、飛躍的に増えた。

 夏涼しく冬暖かい。地震に強い風に強い。もちろん私たちの日々を、暮らしを護るための家だ。性能はあるに、高いに越したことはない。

 けれども家というのは、あくまで「健康(命)を守る」ことこそがその存在意義だと実感している。この30年に起こったさまざまなできごとが、そちらに矢印を向けている。


 本当の真冬に展示場に来たなら、もっとダイレクトな「あたたかさ」を覚えたのかもしれない。ただ今回初秋の、しんしんと音を立て寒さが訪れつつある時期でも「空気ごと冷えない家」の恩恵を、十分すぎるほど実感することができた。

スマートフォンアプリからでもエアロテックのコントロールができる。温度調整はもちろん、スケジュール設定などもできるので外出先からでも調整可能。 撮影 細田忠/文藝春秋

 いずれくる老後の住まい、来し方を振り返る子育て中の家庭などだけでなく、いま現在の自分の暮らしを考える上でも、住まいの空気の質や温度といった要素は思った以上に重要だったことを、再確認した。


 展示場にいる間だけであっても、快適を超えた安心を筆者は感じていた。



「『当たり前の寒さ』こそが、危険信号かもしれない」



「冬は寒くて当たり前」──けれど、そこで思考停止していませんか?


 家の脱衣所やトイレ、ほんの少しでも「寒い」と感じている。その「ちょっとした冷え」に、無反応になってしまっていませんか?



 初めて感じる種類の、「空気の安心」を体験したら、何かが変わるかもしれません。


 詳しくは三菱地所ホームのモデルハウスへ。

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【注釈・参考文献】
・消費者庁ニュースリリース 令和2年11月19日
冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_042/assets/consumer_safety_cms204_20201119_02.pdf
P.2のページ下部注釈にて、以下の表現があり。「病死等も含めた全国の入浴中の急死者数を年間約 19,000 人としている」。

・政府広報オンライン 令和6年4月9日
交通事故死の約3倍?!冬の入浴中の事故に要注意!
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202111/1.html

・第78回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会、令和4年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会
浴室内の死亡として報告された事例についての検討 
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000928722.pdf

・厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(案) 令和5年12月21日
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf 

・厚生労働省 良い睡眠の概要(案) 令和5年10月2日
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001151837.pdf 

・NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター 温度、湿度と睡眠 令和4年6月28日
https://www.ncnp.go.jp/hospital/guide/sleep-column21.html

・公益財団法人長寿科学振興財団健康長寿ネット 質の良い睡眠と効果 令和元年6月21日
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tyojyu-suimin/shitsunoyoisuimin-koka.html

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