新NISA制度が始まって2年、「1億総投資社会」とも言われる現在、資産形成の常識は劇的に変わりました。その裏で、保険のあり方について迷っている人もいるのではないでしょうか。

「NISAを始めたけれど、保険はこのままでいいの?」

今回はこうした疑問に答えるべく、「保険でお金は増えない NISA時代 生命保険の新常識」をテーマに、保険のプロにお話を伺いました。

聞き手●村井弦(「文藝春秋PLUS」編集長)

「保険がいらない人」とはどんな人か

――YouTubeなどでは最近「保険は不要。お金は全部投資に回せばいい」といった極端な意見も聞かれます。正直、どうしたらいいのか迷っている方も多いと思いますが、まず、生命保険についての基本的な考え方を教えてください。

横川由理 FPエージェンシー代表
大学卒業後フランスに渡り、パリのホテル・ニッコー・ド・パリ内ツアーデスクに8年間勤務。
帰国後、生命保険会社での経験を通じて「売る側」ではなく、「買う側」の立場でお金を考えることの大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーとして独立。現在は講演や執筆、個別相談を通じて、難しいお金の話をやさしく、日々の暮らしに役立つ形で伝えている。

横川 確かに、保険がいらない人もいらっしゃるんです。それは「自分の給料で誰かを扶養しているか」どうか。扶養していないのであれば、保険ではなく、貯蓄や投資に回すことも良いかと思います。でも、お子様がいらっしゃる方は、保険と投資分けて考えるべきです。日本には、遺族年金や健康保険があります。社会保険を学んだ上で、足りない部分を民間保険で備える。そういう考え方を持っていただきたいですね。

 これからはインフレが進み、さらに2028年4月からは、遺族厚生年金の給付期間も原則5年になる予定です。期間は短くなっても、金額が1.3倍になったり、お子さんが学校へ行っている間は支払われるなど、色々な配慮がありますが、会社員の配偶者であれば一生遺族厚生年金がもらえるという世の中から、変わっていきそうなんですね。

池野 保険の一番の目的は「“大きな経済的損失”に備えること」です。たとえばお子様がいる世帯で、世帯主の方がお亡くなりになると、収入が途絶えたり大幅に減少したりして、ご家庭にとっての経済的なダメージは非常に高いものになります。そういったものに備えるのが死亡保険です。遺された方が前向きに生活をしていけるように、大きな金額、生活費の何年分かと教育費用に備えるということが大切になってくると思います。

池野かおり ライフネット生命保険株式会社ブランドマネジメント部
2021年、ライフネット生命に入社。マーケティング部にて保険代理店の営業推進に従事しつつ、動画・広告等のクリエイティブ制作や募集資材のコンプライアンス審査を兼任。
2024年よりブランドマネジメント部へ。現在はクリエイティブ制作から広報まで、一貫したブランドコミュニケーション活動に携わっている。

「お金が戻ってくるからお得」の注意点

――死亡保険と一言で言っても、いろいろな種類があると聞きます。

横川 大きく分けると2つあります。「掛け捨て型保険」と「貯蓄型保険」です。掛け捨て型保険の代表的なものは「定期保険」ですね。これは「10年間」「60歳まで」など、保険期間を定めて加入する保険です。生命保険文化センターの例を見ると、30歳男性で、保険期間は30年、保険金額が1000万円の定期保険では、月額3600円の保険料で保障を得られることになります。

 一方、貯蓄型の代表的なものが「終身保険」です。死亡保障と貯蓄を同時に行うので、同じ30歳男性という条件でも、月額2万7700円と、これだけ差がついてしまうんです。

掛け捨て型と終身型では保険料が大きく異なる

――満期の保険金や解約返戻金がある貯蓄型は「お金が戻ってくるからお得」と説明されたことがあります。一方で掛け捨ては戻ってこない。このように損得で説明されることについては、実際のところどうなのでしょうか。

横川 貯蓄型の保険の中には、すでに掛け捨て部分が含まれているんです。死亡したら死亡保険金を支払う、という掛け捨ての機能に“加えて”貯蓄をやっているというわけです。解約返戻金というのは、たとえば先ほどの男性の例ですと、30年間の払込総額は996万円ですが、30年後の60歳時に受け取れるのは904万円と少なくなっています。これは、死亡保険の掛け捨て部分が引かれているからです。もちろん死亡すれば1000万円は保障されますが、解約した場合は払った分が全額戻ってくるわけではないんです。

――そう考えると、掛け捨て型の定期保険のほうがいいのではないかという気もしてきました。

横川 そうなんです。たとえば教育費は、子どもが幼稚園から大学まで全部国公立に進学すれば1000万円程度に収まるかもしれませんが、私立に行く、学習塾、生活費などを含めると2000万、3000万円という大きな保障が必要になってきます。その場合に終身保険で備えようとすると、保険料が月5万円も8万円もかかってしまい難しい。その点、掛け捨て型ですと、安い保険料で大きな保障を得ることができるので、おすすめです。

太く短く…保険に関する考え方

――つまり、必要な期間だけ保障を厚くする、「太く短く」という考え方ですね。

横川 そうです。よく必要保障額をきっちり計算して、無駄な保険料は払わないようにしましょうと言う方がいますが、それはきっと「私は死なない」と思っている人の考え方です(笑)。でも、どんなに若くても死亡する方はいらっしゃいます。本当に死亡すると、必要保障額ぴったりではインフレなどで足らなくなるんです。ですから、子どもが独立するまでを保険に入る期間の1つの目安として、“太く、短く”加入するのが良いと考えています。

――その「太く短く」という考え方は、ライフネット生命の考え方とも共通しますね。

池野 はい、共通しています。必要な保障額が大きくなる時期は、意外と限られています。逆にその時期の保障が少ないと、万が一のときに足りなくなって本末転倒です。ですから保障の「太さ」はすごく大切です。

 かつ、ライフイベントが起こると必要な保障額も変わります。10年前を振り返ると「まだ子どもが生まれていなかったな」という方もいるでしょう。短い期間での見直しを前提にして「短く」考えるのが大切です。 一生涯保障される貯蓄型の保険は、安心感はありますが、必要な保障はその時々で変わっていきます。

ライフネット生命ウェブサイトより

――「太く短く」備えるというのは、具体的にはどうすればいいのでしょうか。

横川 たとえば結婚して子どもがほしいという方は、すぐに充分な保障が備えられる死亡保険(定期保険)に入るのが良いと思います。妊娠中に夫が亡くなってしまったというケースもありますから。そして子どもが大学などを卒業して仕事が決まったら、そこで解約あるいは減額する。このように調整していけば良いと思います。(※保険を解約すると保障がなくなります。健康状態によっては新たな保険に入れない場合があります。)

――まとまったお金があると、遺された人の人生の選択肢も広がりそうですね。

横川 そうです。たとえばパート主婦の方が、夫が亡くなったので本格的に働かなければと思ったとき、金銭的な余裕があると安心できると思います。また、仕事のために資格を取りたいと思ったとき、お金があれば、数カ月、あるいは数年かかる資格の勉強もできる。将来の収入をステップアップさせるためにも、多めの保険金が必要だと思います。

――次は、がん保険についても伺いたいと思います。横川先生ご自身は、がん保険を2種類契約されていると伺いました。

横川 はい。2種類契約した理由は保障の範囲が違うからです。1つ目は、がんと診断されたら300万円という一時金タイプです。2つ目は最近入ったもので、毎月5万円の治療給付金に、1億円の自由診療特約を付けています。10年ぐらい前は300万円あれば治療も生活もなんとかなるだろうと思っていました。でも、いろいろな治療法が出てきて、健康保険が使えない治療だと数千万円にもなる可能性がある。治療の選択肢を広げるために、自由診療特約を選びました。

がん保険は入っておいた方がいい。では、「入る必要がない保険」は…?

――がん保険に入るメリットは、一般的にはどんなことが考えられるのでしょうか。

池野 大きく分けて3つあります。1つ目は治療費に備えるという面です。日本の場合は公的医療保険がしっかりしているので、過度に不安になる必要はないのですが、貯蓄が十分でない方にとっては大きな支出になることもあります。また、がんの罹患に伴って年収が約20%減少するというデータもあります。収入が減る中で治療費で貯蓄が減っていくと、精神的にもつらい状況になってしまいます。『がん経験者に聞いた「がんとお金」の調査2025』ライフネット生命調べ

 2つ目は、生活の質を上げるためです。がんは治療以外にも、いろいろな費用がかかります。 乳がんを経験された方は、外見の変化に対応するケア(ウィッグの購入や乳房再建の手術など)に平均して34万円かかっているというデータもあります。『乳がん経験者のQOLとアピアランスケアに関するお金の調査2026』ライフネット生命調べ)

 3つ目は、やはり「お守り」としての意味合いが大きいのかなと。実際にがんを経験された方からも「病気になって収入が減ったのにさらに貯蓄が減る恐怖は凄まじいので、精神的安定のためにも、保険には入って!」(同上・ライフネット生命調べ)という切実な声を頂いています。

――なるほど。逆に、これはちょっとお聞きしづらいんですけれども、あまり入る必要がない保険というのは何でしょうか。

続きは動画でご覧ください。

本動画は特定の生命保険・金融商品・投資への勧誘等を目的としたものではありません。 金融商品の購入などの最終的な意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。 正確な情報発信を心がけていますが、正確性・完全性を保証するものではありません。


※番組内および記事内でご紹介した情報は、2026年2月時点のものです。

※制度改正については今後変更される可能性があります。

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〈ライフネット生命から皆さまへ〉
動画内の意見や主張は、ライフネット生命がその是非を判断するものではありません。 生命保険や金融商品を検討する際には、必ず、その約款等を確認し、 メリット・デメリットを十分に理解したうえで商品をお選びください。

〈自由診療に関するご注意〉
自由診療は公的医療保険が適用される治療との併用ができないため、慎重な検討が必要です。自由診療を選択する際は、治療効果・安全性・費用について確認し、ご検討ください。本動画は自由診療の保障を勧めるものではありません。検討は慎重に。