〇企画趣旨

デジタル化の進展とともに、企業を取り巻くサイバーセキュリティリスクは急速に高度化・複雑化しています。特に近年は、単一企業ではなくサプライチェーン全体を標的とした攻撃が増加し、取引先企業が侵入口となる事例が顕在化しています。こうした状況のもと、従来の「自社防御中心」のセキュリティ対策は限界を迎え、企業間連携を前提とした新たな対応が求められています。

このような背景を受け、経済産業省は「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)」の構築を進めており、2026年度末頃の本格運用が予定されています。本制度は、企業のセキュリティ対策状況を★3~★5の段階で可視化し、取引先間で共有可能な「共通のものさし」を提供することで、サプライチェーン全体のセキュリティ水準の底上げを目指すものです。

従来、企業のセキュリティ対策は外部から把握しづらく、発注企業ごとに異なる要求が課されるなど、受発注双方にとって大きな負担となっていました。本制度はこれらの課題を解消し、セキュリティを「コスト」から「取引価値・競争力」へと転換する仕組みとしても位置付けられています。

また、AIの急速な普及により、セキュリティの前提も大きく変化しています。AIは攻撃の高度化・自動化を加速させる一方で、防御側においても脅威検知・分析の高度化を可能にする重要な手段となっています。すなわち、今後のセキュリティ戦略は、AI活用とガバナンスを両立させることが不可欠であり、制度対応とAI活用は切り離せないテーマとなっています。

さらに、制度の本質は単なる評価・認証にとどまりません。企業間での適切な情報共有の仕組み構築、すなわちインシデント情報や脆弱性情報をいかに共有し、全体最適としてリスクを低減するかが重要な論点となります。評価制度は、そのための共通言語・基盤として機能することが期待されています。

本カンファレンスでは、こうした変化を踏まえ、以下の視点から議論を深めます。

✔ セキュリティ対策評価制度の全体像と企業へのインパクト
✔ サプライチェーン時代におけるセキュリティの再定義
✔ 情報共有・可視化によるリスクマネジメントの高度化
✔ AI時代におけるセキュリティ戦略とガバナンス
✔ 「評価される企業」となるための実践的対応ロードマップ

制度対応はもはや「IT部門の課題」ではなく、経営戦略・取引戦略そのものに直結するテーマです。本カンファレンスを通じて、企業が取るべきセキュリティ対策のあるべき姿と、競争力強化につながる実践知を提示します。

〇開催概要

開催日時 630日(火)  13:30~16:20
会  場 大手町サンケイプラザホール(大手町駅 直結)
参加対象 企業経営者、経営幹部、経営企画部門、IT部門、
     セキュリティ部門の部門長など
定  員 200名
参加費用 無料(事前登録制)
主  催 文藝春秋
協  賛 Dropbox Japan株式会社

申し込み

ご来場の皆様へは書籍「ランサムウエア攻撃との戦い方 セキュリティー担当者になったら読む本」を1冊プレゼント

〇プログラム

13:30~13:35 オープニングスピーチ 

Dropbox Japan株式会社
代表取締役社長
龍村 洋一氏


13:35~14:20 基調講演
「セキュリティ対策評価制度の本質」
制度導入による個社の限界を超えるサプライチェーン横断的なレジリエンス強化へ

名古屋工業大学大学院 工学研究科 社会工学専攻 教授
「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度に関するサブワーキンググループ」 座長
渡辺 研司氏

1986年京都大学卒、富士銀行入行。1997年PwCコンサルティング、その後、IBMビジネスコンサルティングサービスを経て2003年長岡技術科学大学。2010年より現職。内閣サイバーセキュリティ戦略本部・重要インフラ専門調査会会長、国土交通省運輸審議会・運輸安全確保部会専門委員、農林水産省食料安全保障アドバイザリーボードメンバー、ISO/TC292(セキュリティ・レジリエンス技術委員会)エキスパート、防災科学技術研究所客員研究員、人と防災未来センター上級研究員他を兼務・歴任。工学博士、MBA。


14:20~14:50 課題解決講演
「SCS評価制度を回すための実務」

Dropbox Japan株式会社
DX推進室 室長
矢作 一樹氏


14:50~15:00 休憩


15:00~15:40 事例セッション
「戸田建設のセキュリティ対策」

戸田建設株式会社
本社建築生産企画部 部長
池端 裕之氏

1996年東京工業大学(現・東京科学大学)建築学科を卒業後、1998年同大学大学院理工学研究科建築学専攻修士課程を修了。同年、戸田建設株式会社に入社。建築施工管理業務を経て、全国の建築作業所における生産性向上を中心に担当。あわせて、DX推進や周年事業責任者なども兼務。2024年より現職。


15:40~16:20 特別講演
「セキュリティ対策評価制度が変える企業経営」
~ "評価される企業"になるために経営者が知るべきこと ~ 

一般社団法人サイバーリスク情報センター 代表理事
サプライチェーン・サイバーセキュリティ・コンソーシアム(CRIC SC3)運営委員/企画・調整室長
武智 洋氏

2013年に一般社団法人サイバーリスク情報センター(CRIC)を設立し、代表理事に就任。産業横断での情報共有活動を推進し、2025年にはサプライチェーン・サイバーセキュリティ・コンソーシアム(SC3)をCRICへ統合。大手企業からサプライチェーン上の中小企業まで、産業界全体のサイバーレジリエンス強化を支える連携基盤を主導している。ITU-T SG17におけるセキュリティ国際標準化活動への貢献により、2026年日本ITU協会賞 功績賞を受賞。CISSP保持。