〇企画趣旨

企業を取り巻く経営環境は、2026年に入り大きな転換点を迎えています。AIの進化と社会実装は急速に進み、企業活動のあらゆる領域で、意思決定、業務プロセス、事業モデルそのものの変革が始まっています。法務領域においても、契約レビュー、法令調査、問い合わせ対応、ナレッジ管理など、これまで専門性と経験に依存してきた業務のあり方が再構築されつつあり、法務部門の役割そのものが問い直される時代となりました。一方で、企業が向き合うリスクは、かつてなく複雑化しています。AIガバナンス、データ主権、著作権・責任分界、サイバーリスク、経済安全保障、グローバル規制、人権・サプライチェーン対応など、企業が新たな価値創出へ挑戦するほど、法務が向き合うべき論点も増え続けています。

しかし、これは単なる“法務の負担増”なのでしょうか。いま法務部門には、これまでにない大きな可能性が生まれています。

新規事業の立ち上げ、AI活用、データ利活用、海外展開、M&A、事業提携、サプライチェーン改革。企業の挑戦が複雑になるほど、「リスクを避ける」だけではなく、「どうすれば実現できるか」を共に考える存在として、法務への期待は高まっています。

これからの法務に求められるのは、“守りの管理部門”に留まることではありません。事業部門、DX部門、経営企画、人事、購買、情報システムなどと伴走し、経営の初期構想段階から意思決定に関与する“事業推進のパートナー”としての役割です。

さらに、企業価値創出の前提も変わり始めています。スタートアップとの協業、共同研究、データ連携、プラットフォーム型ビジネス、グローバルサプライチェーンなど、競争力の源泉は「自社単独」から「共創」へとシフトしています。だからこそ法務には、取引先やパートナー企業との関係を“契約で守る”だけではなく、“安心して挑戦できる共創の仕組み”を設計する役割が期待されています。

その一方で、多くの企業では、法務人材不足、業務属人化、AI活用の現実解、責任の所在、ナレッジ継承、法務DX停滞といった未解決課題も依然として存在します。AIは法務を代替するのか、それとも法務をより戦略的な役割へ解放するのか。効率化の先に、法務はどのような価値を提供すべきなのか。いま、法務部門そのものの存在意義が問われています。

第5弾となる本カンファレンスでは、企業法務が直面する解決すべき課題、法務部門に求められる責務、事業部門との伴走、取引先との共創、AIとの共存、そして“経営を前進させる法務”の未来像について、多角的に議論します。

法務は、企業のブレーキなのか。それとも、挑戦を加速させるエンジンなのか。
AI時代において、法務は“守る”だけの存在から、企業変革を支える中枢へ進化できるのか。実務・学術・先進事例を交えながら、次世代の企業法務のあり方を参加者とともに探求します。

〇開催概要

開催日時 1016日(金) (13:00~17:00)
会  場 会場対面および、オンラインLIVE配信のハイブリッド開催
     会場参加:文藝春秋本社ホール(千代田区紀尾井町3-23)
     オンライン参加:Zoomウェビナー
参加対象 企業経営者、経営幹部、企業法務部門、経営企画部門、
     ガバナンス部門の部門長など
定  員 会場参加 80名 / オンライン参加 400名
     ※会場参加希望は申込者多数の場合抽選となります。
参加費用 無料(事前登録制)
主  催 文藝春秋
協  賛 株式会社BoostDraft、MNTSQ株式会社、Sansan株式会社、
     Authense法律事務所、トムソン・ロイター株式会社

申し込み

〇来場特典
ご来場の皆様へは特典として久保田様の共著書「会社法(第4版)」を1冊プレゼント
※書籍のプレゼントはすべての講演終了後となります。途中退出のお客様は特典が付きませんので、ご了承願います。

〇申込特典
申込者様限定にて、開催後2週間のアーカイブ視聴をいただけます

〇プログラム

13:00~13:50 基調講演①
「会社法改正から考える、これからの企業法務とコーポレート・ガバナンス」

慶應義塾大学大学院法務研究科
教授
久保田 安彦氏

早稲田大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得満期退学。早稲田大学商学部准教授、大阪大学大学院法学研究科准教授などを経て現職。主な専門分野は会社法。著書に『企業金融と会社法・資本市場規制』(有斐閣・2015年)、『会社法(第4版)』(共著、弘文堂・2025年)、『法律家のための株式評価』(共著、有斐閣・2026年)などがある。法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会委員、中央労働委員会公益委員などを務める。


13:50~14:20 課題解決講演①
法務とAIが、真に共存するための設計と運用
―「導入した後」に問われること

株式会社BoostDraft
代表取締役COO
堀内 晴来氏

一橋大学商学部卒業。LINEヤフーにてM&Aやベンチャー投資に従事後、楽天グループにてシンガポールでの組織立ち上げや、多国籍・多拠点にわたるプロダクト開発組織のマネジメントを経験。その後、株式会社BoostDraftに参画し、代表取締役COOに就任。現在は日本・米国・韓国など多国籍に展開する組織の事業運営を統括し、契約書や法的文書における「形式的なノンコア業務」の徹底的な効率化を通じて、専門家がより本質的で生産性の高い業務に集中できる環境づくりに尽力。


14:20~14:30 休憩


14:30~15:10 基調講演②
「企業価値を守り、向上させる法務へ」
~M&A・会社支配権争奪・株主アクティビズムの最前線から考える企業法務の責務~

森・濱田松本法律事務所
マネ⁠―ジングパ⁠―トナ⁠―/弁護士
石綿 学氏

東京大学法学部卒業、シカゴ大学ロースクール修了。弁護士(第二東京弁護士会・ニューヨーク州弁護士会所属)。東京大学大学院法学政治学研究科客員教授(2019年~2022年)。国内外のM&A、会社支配権争奪戦、コーポレートガバナンス、株主総会対応、プライベート・エクイティ、危機管理など、企業法務の最前線で幅広く活躍する。経済産業省「企業価値研究会」「公正なM&Aの在り方に関する研究会」「公正な買収の在り方に関する研究会」、金融庁の各種会議等の委員も歴任。著書・論文に『M&A法大系 第2版』『新・会社法実務問題シリーズ/9 組織再編』『会社・株主間契約の理論と実務』『企業危機・不祥事対応の法務〔第2版〕』など。M&A・企業価値・コーポレートガバナンスに関する豊富な実務経験と政策形成への知見を有する。


15:10~15:40 課題解決講演②
「近日公開予定」

MNTSQ株式会社 代表取締役
長島・大野・常松法律事務所 弁護士
板谷 隆平氏

長島・大野・常松法律事務所(NO&T) 弁護士。東京大学法学部卒業。 在学中に司法試験予備試験に合格し、2014年に弁護士登録。 同年NO&Tに入所し、企業買収(M&A)・AI/IT等のテクノロジー関係のアドバイスに従事。 同事務所で勤務する傍ら、2018年11月にMNTSQを創業。「すべての合意をフェアにする」をビジョンに掲げ、生成AIと日本トップローファームの知見を掛け合わせたソリューション、「MNTSQ CLM」および「MNTSQ AI契約アシスタント」を開発・提供。
英Financial Times主催の「Asia-Pacific Innovative Lawyers Awards 2026」において、「Legal Intrapreneur」部門を受賞。


15:40~15:50 休憩


15:50~16:20 課題解決講演③
「2026年最新版 法務の実践的AI活用術」

Sansan株式会社
コーポレート本部 総務法務部 ビジネス法務グループ
Google Cloud Generative AI Leader
井上 祐輝氏

ロースクール卒業後、法律事務所でパラリーガルとして勤務。2022年にSansan株式会社に入社。ビジネス法務グループとして主に「Bill One」「Contract One」など新規事業の立ち上げ領域を担当。事業立ち上げにおけるリーガルチェックや利用規約などの作成、委託先や顧客との契約交渉、契約書の作成、審査などを中心に行う。


16:20~17:00 特別講演
「LINEヤフーの法務戦略・ガバナンス改革から考える、企業法務の進化」
~ 「法律を守る」から「事業と社会を動かす」法務へ ~

LINEヤフー株式会社
執行役員 法務CBUリード
土屋 奈生氏

2003年弁護士登録。複数の法律事務所で企業法務に携わり、パートナーを務める。その後、株式会社ラックに入社し、執行役員法務部長を務め、事業会社における実務にも携わる。2020年にヤフー株式会社(現LINEヤフー株式会社)へ入社し、法務本部長等を経て、現在は執行役員 法務CBUリード。あわせて、複数の上場企業で社外取締役を務める。