シャンプーをしたあと、何気なく排水口を見ると、思いのほか抜け毛が多い。
「前から、こんなに抜けてたっけ?」。あわてて鏡の前で自分の頭髪をチェックする。
「まさか自分が薄毛になるはずがない、昔からこんなだったよな……?」
そうは思いながらも、どうしても気になり「抜け毛 原因」とスマホで検索してみる。すると検索結果には「AGA(男性型脱毛症)」という単語とともにフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル……と聞き慣れない薬の名前が並ぶ。
また治療法もオンラインを活用したものや注入治療など様々なものがある。治療費もクリニックによってバラバラで一体何が正しいのか、自分にはどれが良いのかわからない……。
このように、最初は軽い気持ちで抜け毛の原因について調べ始めたが、気が付けばスマホで何時間もAGAについて調べ治療法や病院などを比較してしまっているという読者も多いのではないだろうか。
秋は一時的に抜け毛が増えることがあるため、抜け毛が増えたからといって原因がすべてAGAというわけではない。しかし、生え際の後退や頭頂部の薄さなど、以前とは違う変化が続いているのであれば、一度専門の医師に相談してみるべきだろう。AGAは進行性の脱毛症のため、もしあなたがAGAであれば早めに治療を始めるべきだ。
では、AGAを治療する場合、何を基準に選べばいいのだろう? 料金? 薬? 通いやすさ? それとも最近よく見る新しい治療法?
実はAGA治療には、そうした目につきやすい条件とは別に、治療を始める前に考えておきたい大切なことがあるのだ。
20年以上たっても「簡単に髪が生える薬」は登場していない
今では当たり前のように目にするAGA治療だが、その歴史は意外と長くない。現在につながるAGA治療薬が登場したのは2000年前後。それから20年以上にわたって、髪の毛を生やすための研究が続けられてきた。
インターネットの登場にともない、20年前と今とでは、われわれの生活は大きく変わった。では、AGA治療はどうなのか。もちろん毛髪に関する研究は進んでいる。毛乳頭や幹細胞の培養など、新しい治療につながる研究も続けられている。
「それなら、そろそろ画期的な治療法が出てきてもよさそう」
そう思うかもしれない。ところが2026年現在、AGA治療を一変させるような新しい技術は登場していない。現在でも治療の中心は、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルなどを用いた薬物治療なのだ。つまり、髪を生やすということはそれほど“難しい”ということだ。そう考えると、「これさえやれば生える」「短期間で劇的に変わる」といった、あまりにも簡単そうに聞こえる言葉には、ちょっと慎重になったほうがよさそうだ。
最近よく見る「注入治療」はどうなの?
AGAについて検索していると、最近は頭皮に薬剤などを注入するメソセラピーをはじめ、さまざまな「注入治療」を目にする。
「飲み薬より、頭皮に直接入れたほうが効きそう」
なんとなく、そんな気もしてくる。では、注入治療はAGA治療の中でどんな役割を持っているのか。患者の状態や治療方針によっては、内服薬などによる治療と組み合わせることで、発毛を後押しする選択肢の一つになる。ただ、「注射を打てば、それだけでAGAが解決する」というものではない。AGA治療では、進行を抑える、発毛を促す、増えた髪を維持するといった目的に応じて治療を考える。注入治療も、その中の一つとして位置づけられるものなのだ。
新しい治療はどうしても魅力的に見えるが、「新しい治療」と「自分に必要な治療」は同じではない。では、自分に必要な治療とは何か? ここからが、AGA治療で意外と見落とされやすいところだ。
同じ薬なら、安いところで買えばいい?
AGA治療の基本が薬物治療なら、一つの疑問が出てくる。
「結局、同じ薬なら安いクリニックでいいんじゃない?」
スマートフォンや家電なら、同じ商品を安く売っている店を探すのは当たり前。同じフィナステリドなら、できるだけ安く処方してもらいたいと思うのも無理はない。しかし、AGAは「薬を買うこと」ではなく「治療を受けること」なのだ。
たとえば健康診断で血圧が高いと言われて病院へ行ったとする。医師に薬を処方され、その後は血圧を一度も測らず、体調も確認せず、最初にもらった薬だけが何年も自宅に届き続ける。もしそうだったら、「先生、そろそろ一回くらい診てくれない?」と思わないだろうか。AGA治療も考え方は同じだ。
治療前の頭髪の状態を確認する。薬を飲み始めたら、抜け毛はどうなったのか、発毛しているのか、副作用や体調の変化はないのかを見る。その結果によって、必要であれば治療内容を調整する。薬を処方することだけでなく、その前後を診ることまで含めて「治療」なのだ。
オンラインか対面か。本当の問題はそこではない
コロナ禍以降、AGAでもオンライン診療が広がった。
スマートフォンで診察を受けて、そのまま薬を自宅へ送ってもらえる。忙しい人や近くにAGAを診る医療機関がない人にとっては、とても便利だ。ただ、そこで大切なのは、診察の「形」ではなく「中身」なのだ。
最初に決めたコースの薬が毎月届いている。でも、半年たっても治療開始時と比べて髪がどう変わったのか確認していない。これでは、今の治療が本当に自分に合っているのか判断できない。
AGAは人によって進行の程度も違えば、治療への反応も違う。最初は積極的に発毛を目指す必要があった人でも、十分に改善すれば、その状態を維持する治療へ切り替えられることがある。反対に、思うような変化が出ていなければ、治療内容を見直す必要があるかもしれない。だから重要なのは、「オンラインか、対面か」だけではなく、
「治療を始めたあとも、自分の髪をちゃんと診てもらえているか」
なのだ。
髪にも「かかりつけ医」がいていい
体調を崩したとき、自分の病歴や体質、以前どんな薬を使ったのかまで知っている先生がいると安心だ。いわゆる「かかりつけ医」だ。AGAにも、同じ考え方があっていいのではないか。
どんな状態から治療を始めたのか。どの薬を使い、どのくらい髪が増えたのか。副作用はなかったのか。そして今は、さらに発毛を目指す段階なのか、それとも増えた髪を維持する段階なのか。長く経過を診ている医師なら、その時々の状態に合わせて治療を考えることができる。
AGAは、数日薬を飲んで「治ったので終了」という病気ではない。だからこそ、「薬をくれる場所」だけではなく、長く自分の髪を診てもらえる医療機関を選ぶという視点が大切になるのだ。
東京・銀座で「髪の一生のかかりつけ医」を目指す銀クリ
では、実際のAGA専門クリニックでは、患者の髪をどのように診ているのか。
東京・銀座にあるAGA専門の銀座総合美容クリニック、通称「銀クリ」では、「髪の一生のかかりつけ医」という考え方を掲げている。
同院が重視しているのは、単にAGA治療薬を処方することではない。まず診察で患者一人ひとりの頭髪の状態を確認する。さらに、頭部を約600枚撮影して3Dで立体的に解析する「SCAVISION(スキャビジョン)」も活用し、毛髪の状態を細かく確認したうえで治療を考えていく。
そして大切なのは、治療を始めた「あと」だ。
スキャビジョンには、撮影した画像から毛量を比較する特許取得済みの技術が使われている。治療前と治療後の状態を比較することで、「なんとなく増えた気がする」といった感覚だけに頼るのではなく、髪がどのように変化しているのかを確認しながら、その後の治療を考えることができるのだ。薬を使って髪がどう変化したのか。治療の効果は十分なのか。副作用や体調面に問題はないのか。そうした変化を診察のたびに確認しながら、その時々の状態に合わせて治療を調整していく。
こうした判断には、今の髪だけを診るのではなく、「治療を始めたときはどうだったのか」「そこからどう変わってきたのか」を知っていることが大切なのだ。
銀クリでは、長年にわたるAGA診療で積み重ねてきた知識や経験を、一人ひとりの治療に生かしているという。薬を処方して終わりではなく、髪の変化をずっと診ながら、次に必要な治療を一緒に考えていく。なるほど、それなら確かに「髪のかかりつけ医」だ。
「どの薬にする?」の前に考えてみよう
AGA治療を始めることになったら、料金や薬、新しい治療法を比較する前に、一つ考えてみてほしい。
「この先も、自分の髪をちゃんと診続けてくれるのは誰だろう?」
AGA治療は、薬を受け取ったところがゴールではない。今の状態を知り、治療を行い、その結果を確認し、次に必要な治療を考える。長く付き合うAGAだからこそ、「どの薬を選ぶか」と同じくらい、「誰に自分の髪を診てもらうか」が大切なのだ。
銀座総合美容クリニック
公式サイト:https://www.gincli.jp/
(東京院)東京都港区新橋1-9-5 KDX新橋駅前ビル 4~5階
(大阪院)大阪市北区曽根崎新地1-4-20 桜橋IMビル15階
※診療時間(完全予約制)
月・火・木・金・土 11:00~20:00
日・祝 11:00~19:00
休診日:水曜日
料金:初月1000円 税込、2カ月目以降は、AGA治療内服薬2000円~1万9250円 税込 (※保険外の自由診療)
相談・予約は東京・大阪共通のフリーダイヤル(0120・972・335)か、公式サイトから