〇企画趣旨

日本企業を取り巻く経営環境は、これまで以上に複雑さを増しています。人口減少や人材不足、金利のある世界への移行、地政学リスク、サプライチェーンの再構築、そして生成AIをはじめとするテクノロジーの急速な進化など、経営資源にはこれまで以上に厳しい選択と集中が求められています。

こうした環境下で、企業価値を高める鍵となるのが、「どの事業へ資本を投じ、どこから撤退し、限られた人材・設備・投資資金をどう配分するのか」という資本配分の質です。ROICはその判断を支える重要な経営指標として定着しましたが、いま企業に求められているのは、ROICを"測る"ことではなく、ROICを活用して資本配分を最適化し、持続的な企業価値向上へつなげる経営へと進化させることです。

近年では、事業ポートフォリオ改革やM&A、設備投資、人材投資、研究開発投資など、あらゆる経営判断を資本効率と成長性の両面から評価する動きが広がっています。また、FP&Aや経営企画、財務部門には、資本コストを踏まえたシナリオ分析や投資評価、経営資源の再配分をリードする役割が期待されるようになり、CFOは企業価値創造を担う戦略パートナーへと進化しています。

さらに、生成AIの普及は資本配分の高度化を大きく後押ししています。市場データや財務データを踏まえた投資シミュレーション、複数の経営シナリオ比較、ポートフォリオ再編の示唆、資本収益性の分析など、AIは経営判断を支援する新たな基盤となりつつあります。一方で、AIの提案をどのような基準で評価し、最終的な意思決定へ結び付けるかというガバナンスも、新たな経営課題となっています。

本カンファレンスでは、「資本配分経営」をテーマに、ROICを起点とした企業価値経営のさらなる進化を展望します。事業ポートフォリオ改革、投資・撤退判断、FP&A・経営企画・財務部門の役割変革、AIを活用した資本配分の高度化、人材・研究開発を含めた経営資源の最適配分など、多様な視点から議論を深めます。ROICを"管理指標"に留めることなく、企業価値創造を実現する経営の実践について、有識者・実務家とともに考察します。

〇開催概要

開催日時 11月17日(火) 13:00~17:00
会  場 会場対面および、オンラインLIVE配信のハイブリッド開催
     会場参加:文藝春秋本社ホール(千代田区紀尾井町3-23)
     オンライン参加:Zoomウェビナー
参加対象 企業経営者、経営幹部、経理・財務部門、経営企画部門、
     経営管理部門、コーポレートガバナンス部門など
定  員 会場参加 100名 / オンライン参加 500名~
参加費用 無料(事前登録制)
主  催 文藝春秋
協  賛 Tagetik Japan株式会社、株式会社アバント ほか

申し込み

〇来場特典
ご来場の皆様へはスズキ様の著書『「新しい資本主義」のアカウンティング 「利益」に囚われた成熟経済社会のアポリア』を1冊プレゼント
(※特典書籍のお渡しは全講演終了後となります)

〇申込特典
申込者様限定にて2週間のアーカイブ視聴をいただけます。

〇プログラム

13:00~13:50 基調講演
「利益」から「付加価値」へ
~ 成熟経済社会における、経営・経済運営の再設計 ~

早稲田大学 商学学術院
教授
スズキ トモ氏

大手監査法人を経て、LSE(London School of Economics and Political Science)にて「社会科学哲学(修士号)」、オックスフォード大学にて「会計・経済の哲学(博士号)」を取得。そのまま同大学主任教授 ( サステナビリティ・マネジメントと会計学 ) を務めた。国連等の国際機関、チャールズ皇太子 Accounting for Sustainability Foundation、中国、インド、東南アジア、英国、日本政府等との協働により多くのポリシー・ペーパーを上梓。日本ではIFRSの強制適用を回避した『オックスフォード・レポート』(2012)がある。帰国後は早稲田大学教授に就任し、四半期報告書の廃止を実現した『関経連レポート』(2021)を発表。岸田政権下の総理補佐官顧問に就任。『新しい資本主義のアカウンティング:「利益」に囚われた成熟経済社会のアポリア』(2022)や『資本市場』、「夢の仕訳:役職員株式交付制度の提案」(2025)や『商事法務』、成熟経済社会における「利益」と「株価」を考える (スズキ トモ・倉橋雄作;2025)を発表。日本経済新聞 『経済教室』では、企業統治指針 改定の論点 ~成長投資と株主還元の両立を~(2026)で従業員への適切な分配や成長投資を主張。成熟経済社会下における新しいコーポレートガバナンスや市場制度を通じて経営者、従業員及び事業体そのもののエンパワーメントを推進している。


13:50~14:20 課題解決講演①
「財務数値だけでは見えない企業価値」
~ROICと非財務情報を統合する次世代経営管理~

ウォルターズ・クルワー Tagetik Japan株式会社
プリセールス ディレクター
横田 悟氏

国内大手コンサルティングファームにて、財務会計領域やIFRS導入支援に従事。その後、ERPパッケージベンダーにて、経理・財務領域を中心としたクラウドソリューションの提案活動を担当。2025年よりWolters Kluwer CCH Tagetikに参画し、ワン・プラットフォームによる経営管理の高度化や、コーポレートファイナンス視点を取り入れた統合的な経営管理基盤の提案を実施。


14:20~14:30 休憩


14:30~15:10 特別講演①
「P/L・B/Sでは説明できない企業価値をどう高めるか」
~ 時価総額5兆円を目標に、中計を廃止して長期ビジョンに舵を切る、サンリオの資本配分経営

株式会社サンリオ
常務執行役員(経営管理本部担当)
松本 成一郎氏

CFA協会認定証券アナリスト(CFA)。米国公認会計士(USCPA)試験合格。慶應義塾大学理工学部を卒業後、みずほ証券株式会社のマーケット部門にて金融機関向けセールスおよびアナリスト業務、株式会社みずほ銀行の産業調査部にて大企業の戦略コンサルティング業務、みずほ証券株式会社の投資銀行部門にて大企業のカバレッジ業務等に従事。直近の投資銀行部門では業界を代表する内外大型M&Aの単独フィナンシャルアドバイザリー、グローバルオファリングやハイブリッドファイナンス等の資金調達でトップレフト、内外IR活動のサポート等をリード。株式会社ココナラの執行役員CFOを経て2024年2月に株式会社サンリオに常務執行役員(経営管理本部担当)として入社。


15:10~15:40 課題解決講演②
ROIC経営実践:成長投資・M&A投資検討のための
「競合比較バブルチャート」の意義と作成のポイント

 

株式会社アバント


15:40~15:50 休憩


15:50~16:20 課題解決講演③(近日公開)


16:20~17:00 特別講演②
企業の未来を創る資本配分経営
~ ROIC・EP・将来EPと付加価値の適正配分 ~

東京コスモス電機株式会社
代表取締役社長
若林 勇人氏

1985年 松下電器産業株式会社(現、パナソニックHD)に入社。一貫して経理・財務畑を歩み、海外での金融会社設立・運営を経てコーポレート戦略本部財務・IRGM(理事)就任。2015年J.フロントリテイリングに転じ、10年に亘り取締役執行役常務・財務戦略統括部長を歴任し、資本政策・財務戦略を推進。2025年 東京コスモス電機株式会社代表取締役副社長、2026年6月代表取締役社長に就任。日本CFO協会理事としても戦略的CFO機能の構築に向けたAIの活用・定着を推進。