それぞれのジャンルで輝きを放つ5人の女性と、その手もとで時を紡ぐティファニーのプレシャス・ウォッチ。凛とした美しさに、ティファニーが華を添える。第1回のゲストは、作家・川上未映子さん。
時を刻み、時を重ねる。川上未映子さんは昨年、作家デビューから10年を迎えた。“いま、このとき”を生きる女性たちを描き続ける川上さん。彼女自身、立ち止まることなく、常に前を向いて歩んできた。シンガーから作家への転進、執筆、結婚、出産、子育て……。
「ティファニーは、私たちの個人的な成長譚とともにあったブランドなんです。若いころビーンズに憧れて、その次はオープンハートが欲しくなって……」。一足飛びにハイジュエリーにいくのではなく、一緒に育ってきた感じがすると川上さんは語る。「ティファニー・ブルーを目にすると、自分たちに課せられたいろいろなもの……女性だからとか、妻だからとか、母だからとか、そういったものがすべて取り払われた、無垢な状態に戻れるような気がするんです」。
永遠のイノセンス。川上さんの手もとを彩る「ティファニー・アトラス」も、無垢の輝きを放つ。ニューヨーク5番街のティファニー本店。その正面に据えられたアトラス像は、ニューヨークのアイコンでもある。そのアトラスが担ぐ時計に刻まれたローマ数字が、アトラスコレクションのモチーフとなっている。ダイヤモンドがセッティングされたローマ数字のインデックスが時を告げる。
「好きな数字は9。10代の始めに、ジョン・レノンの『ナンバー・ナイン・ドリーム』を聴いたのがきっかけで、わたしにとって特別な数字になったんです。ゴールまであと一歩みたいなところがいいでしょう」と川上さんは微笑む。まだ見ぬゴールを目指して、その歩みは止まらない。
Mieko Kawakami
1976年大阪府生まれ。「夢みる機械」(2004年)「頭の中と世界の結婚」(05年)などのアルバムを発表。07年初めての中篇小説「わたくし率 イン 歯一、または世界」が芥川賞候補に。08年「乳と卵」で芥川賞受賞。10年『ヘヴン』で芸術選奨文部科学大臣新人賞および紫式部文学賞、13年『水瓶』で高見順賞、『愛の夢とか』で谷崎潤一郎賞を受賞。近著は短編集『ウィステリアと三人の女たち』。
Photo: Yoshihito Sasaguchi(SIGNO)
Styling: Saori Iguchi
Hair&Make: Mieko Yoshioka
Design: Shiraishi Design Office
INFORMATION
ティファニー アトラスはこちら
https://www.tiffany.co.jp/watches/atlas-watches