和歌山地裁で続く須藤早貴被告(28)の裁判員裁判が佳境を迎えている。2018年5月24日、“紀州のドン・ファン”こと和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助氏(享年77)が、自宅2階の寝室で全裸のまま絶命していた。発見したのは、新婚4カ月足らずの55歳年下妻で当時22歳の須藤。野崎氏の死因は、多量の覚醒剤を何らかの方法で経口摂取したことによる急性覚醒剤中毒だった。
公判では、検察側が野崎氏の死を「被告による遺産目当ての殺人事件」と主張。対して須藤は「殺していないし、覚醒剤を飲ませてもない」と無罪を訴えてきた。
「遺産目的で結婚したことを、私は誰にも隠していません。社長(野崎氏)自身が月100万円あげるから結婚してほしいと言ったわけだし、遺産も私にもらってほしいと。結婚したのは、お金の関係です」
「セックスをしない」ことを条件に入籍
被告人質問2日目となる11月11日の第20回公判。黒のパンツスーツ姿で証言台に立った須藤は、そう言い切った。検察側が指摘する「遺産目的」という殺害動機の部分を、最初から隠していないと明言することで、否定してみせたのだった。
2017年12月、須藤は初対面の野崎氏から現金100万円を手渡され、結婚を申し込まれた。猛アタックが続き、須藤は2018年2月8日、「毎月100万円をもらう」「田辺市には住まない」「セックスをしない」などの約束を条件に、野崎氏と入籍。公判では、金で結ばれた特異な夫婦関係の実態に焦点が当てられることになる。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル