「先進的なビジネスを手掛けているはずのコンサルで、昭和の追い出し部屋のような制度がまかり通っている。社員たちは失望しています」
そう自嘲するのは、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下DTFA)の中堅社員・ A氏だ。
世界最大級の総合コンサルティング企業・デロイトトーマツグループ。
会計監査法人を母体としながら、現在は企業の経営戦略の立案から税務・法務サポートまで、幅広い業務に対応している。日本法人のグループ全体での業務収入は2023年度で約3346億円。競合のPwC、KPMG、EYとともに「コンサルビッグ4」とも呼ばれている。
グループ会社の中でもDTFAは、企業のM&Aや経営の立て直しに特化したコンサル業務を担っている。
「最近では、中古車販売大手・ビッグモーターの経営再建に携わったのもDTFAです。売り上げが激減した同社の資金繰りなどについてアドバイスしていました」(経済部記者)
求人情報サイトによると、社員の年収は平均で1000万円。トップ人材である「パートナー」になれば、数千万円の給料も珍しくない。そんなエリート集団で、ある異変が起こっているという。前出のA氏が語る。
「23年10月頃から、うちでは“人あまり”が常態化するようになっています。仕事のない社員は『アベイラブル』と呼ばれ、研修部屋の一室でムダな時間を過ごさせられています」
一体、どういうことか?
1年近く「アベイラブル」な社員も
通常、コンサル会社は「クライアント」と呼ばれる発注元企業からの依頼があって初めて仕事がスタートする。逆に言えば、依頼された案件がなければ仕事も生まれない。
前出の社員によれば、ここ1年ほど、DTFAでは主力事業のM&Aや事業再建に関わるプロジェクトが少なくなってきているという 。その結果、2000人余りの社員のうち、約100人が仕事のない“窓際族”状態に陥っているのだ。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル