1月24日に召集された通常国会で、政界を大きく揺さぶる「爆弾」政策がいくつかある。その中で最大級の威力を有するのが「選択的夫婦別姓の導入」に他ならない。もはやメリット、デメリットを丁寧に論じる政策論争の域を超え、イデオロギー対立と化しており、保守派にとっては自らの存在意義を賭けた戦いになる。
石破茂首相は22日、連立を組む公明党の斉藤鉄夫代表と昼食を取りながら会談し、選択的夫婦別姓に関して与党協議の場を設けることで一致した。その場で首相は「その前に自民党として意見をまとめる必要がある。もう少し待って欲しい」と斉藤氏に伝えた。しかし、この制度の導入の是非は、「もう少し」で自民党内の意見が集約できるような問題ではない。昨秋の総裁選で導入に前向きな姿勢を示した首相が、導入に踏み切れば自民が割れかねないリスクをはらむ。
そもそも日本では現行の民法750条で「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と定められており、夫婦同姓が義務づけられている。所管する法務省のホームページによると、夫婦同姓が定着したのは明治で、戦後の1947年施行の民法でも引き続き同姓となった。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル