「判決文の一部にそうやって書かれたことは不明誉なので、僕は控訴を考えています」
5月27日、日本外国特派員協会で開かれた会見でそう語ったのは、映画監督の園子温氏(63)だ。
「週刊文春」が2022年3月から足かけ3カ月にわたって報道してきた、映画界の性加害問題。誌面で告発した女優たちだけでなく、SNSやブログなどで「#MeToo」に連帯した女優たちの力もあって、映画監督の有志が文化庁にハラスメント防止の要望書を提出するなどのムーブメントに発展した。
5月16日、こうした映画界の性加害問題に関連する裁判の判決が、東京地裁で言い渡された。それが、園氏が起こした裁判だった。
「園氏は2009年公開の『愛のむきだし』でベルリン国際映画祭のカリガリ賞、国際批評家連盟賞をW受賞するなど世界的に高い評価を受け、国内でもカルト的人気を博してきました。そんな園氏について、『週刊女性』(2022年4月5日発売号)が性加害疑惑を報道。園氏は発行元の主婦と生活社らを提訴し、2024年1月に公式サイトで『インターネット上の記事を全文削除することを受け入れたことから、裁判上の和解により解決いたしました』と報告していました。
今回、判決が言い渡されたのは、園氏が俳優の松崎悠希氏(43)を提訴した裁判。2022年3月、松崎氏が自身のツイッター(現X)に、“知人が園氏らのワークショップに通い始めたら1人になったところで性的な要求をされた”という趣旨の投稿をした。園氏は名誉を毀損されたとして、1100万円の損害賠償と同投稿の削除、謝罪文の掲載を求めていました」(社会部記者)
判決では、〈(園氏が)ワークショップを通じて知り合った女性に対し、その立場を利用して、性的行為を要求していたとまでは認められず、本件投稿の重要部分が真実であるとはいえない〉とし、松崎氏に22万円の支払いと投稿の削除を命じた。だが――。
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source : 週刊文春