公明党元代表の山口那津男氏(72)が6月20日の党の会合で、政界引退を表明した。「皆さんに支えて頂いた」とあいさつし、斉藤鉄夫代表から花束を受け取った。
山口氏には当初、短期のリリーフ役としての期待しかなかった。自公が下野した2009年の衆院選で、太田昭宏代表(当時)が落選し、党代表のお鉢が回ってきた。政治部記者はいう。
「太田氏は創価学会青年部長を務め、若い頃から『将来の党代表』と見込まれてきたが、山口氏はおよそ代表候補ではなかった」
何より、選挙に弱かった。1996年と2000年の衆院選では東京17区で自民党の平沢勝栄氏に連敗。01年に参院議員に転じてようやく足場を安定させた。
代表就任後は「広告塔」に徹し、創価学会の女性会員からは「なっちゃん」の愛称で呼ばれ、絶大な人気を得た。リリーフどころか、1998年の公明党の再結成以降で最長、8期15年の「長期政権」を築いた。

公明党関係者は「柔和な笑顔と穏やかな語り口で女性の支持を得たが、裏では毒舌家だった」と明かす。
例えば2016年の東京都知事選。自民党の推薦を受けず小池百合子氏が初出馬し、自民は右往左往したあげく、対抗馬として増田寛也氏を擁立した。小池氏を推していた山口氏は自民党幹部から「うちはいい加減な組織なもんで、すみません」と笑って言われたことを周囲に明かし、「ヘラヘラしてんじゃねえよ。ふざけるな」と吐き捨てるように言った。
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source : 週刊文春 2025年7月3日号






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