かつて日本はなぜ無謀な戦争に乗り出したのか。参議院選挙で躍進した参政党を検証しつつ、当時の政府が「いまさらやめられない」戦争に突き進んでいったわけを、池上彰が“全力”解説。
1 戦争の記憶が書き換えられる
今年は昭和にすると100年。昭和100年ということは、戦後80年でもあるのです。さらに被爆80年でもあります。戦後80年も経つと、さまざまな記憶が薄れ、記憶の中の歴史を書き換えようとする動きも活発になります。その点で、7月の参議院選挙で躍進した参政党の神谷宗幣代表の演説が注目されています。7月19日の毎日新聞夕刊は、神谷代表が6月23日に那覇市で行った街頭演説を取り上げています。
〈(日本は)中国大陸の土地なんか求めてないわけですよ。日本軍が中国大陸に侵略していったのはうそです。違います。中国側がテロ工作をしてくるから、自衛戦争としてどんどんどんどん行くわけですよ〉
驚くべき認識です。当時、日本軍は中国大陸にいたのです。なぜ日本軍が中国大陸にいたのでしょうか。中国での権益を求め、中国の関東州に軍を置いていたからです。他国の領土に、その国の許可を得ないで軍隊を送り込むことを「侵略」と呼ぶのではないですか。
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source : 週刊文春 2025年8月14日・21日号
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