今年5月に続き、7月中旬にも心臓の治療のために入院された上皇(91)。その傍らには常に美智子さま(90)の姿があった。


 数多の困難を乗り越えてこられた美智子さま。心の支えとなってきたものの一つが音楽だ。かつて美智子さまは、音楽仲間にこう漏らされたという。


「私にはピアノがあったから――」

「美智子さまのピアノの音色は本当に美しくて、人の心を打つんです」

 そう語るのはバイオリニストの大谷康子氏。モスクワ・フィルやN響など国内外の著名なオーケストラと多数共演し、BSテレ東でレギュラーの音楽番組を持つ。40年以上にわたり、音楽を通して美智子さまと親睦を深めてきた。

「出会いは私がまだ20代で大学院生の頃でした。浩宮さま(現在の天皇)のビオラのお相手として御所にお呼ばれして、その際にお会いしました」(大谷氏)

 最初は音楽室に軽食を運ばれるだけだった美智子さまだが、あるとき「私もいいかしら」とピアノの前に腰かけられた。その腕前に大谷氏は驚き、美智子さまの音色の虜になっていった。

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source : 週刊文春 2025年8月14日・21日号