今回の担当は、編集部のM記者です。
「今週、M記者にはこの事件を取材してもらいたく……」
毎週木曜日の午後3時過ぎ。「週刊文春」記者の“運命”はその瞬間に決まります。どこからともなく近づいてきたデスクに背後から声をかけられ、そこで腹を括らなければなりません。「あぁ、今週もラクは出来ないな」と。
週刊文春の特集記事の中で、もっとも体力的にも精神的にも疲弊するのが、いわゆる“発生モノ”の事件取材。全国各地で起きる事件の現場にいち早く出向き、関係者にひたすら話を聞いていく。炎天下の中、滝のように流れる汗を拭いながら延々と歩き続けることもあれば、極寒の星空の下、ひたすら関係者の帰宅を待ち続けることもある。
新幹線や飛行機での移動中も休めません。ひたすら事件に関係する人物のSNSがないかをチェックして、見つかればDMを送って返事を待つ。夜、ヘトヘトになってビジネスホテルにチェックインしても、今度は電話で“ローラー取材”。関係先から入手した名簿を上から下まで電話をかけ続けるのです。
そこまでしてようやく入手したスクープ情報も、気づけば他社に出し抜かれ、またイチからやり直し……。編集部のある若手記者が「事件取材には終わりがないからやりたくない」と言っていたそうですが、その気持ちは痛いほどよく分かります。
ただ、そんな辛くてキツイ事件取材にも、楽しい時間があります。それは何か――。
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source : 週刊文春






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